2018年1月30日火曜日

アートと機能の境界線 どうしたら売れますか

アートとは、100円の石が100万円になる不思議な言葉です。
機能性ゼロでも、アートなら100万円、道端の石は0円。(正確には0円じゃないかもしれないけど、とりあえずお金を払って買うものではないから0円。)

昨日、とあるブランディングのプロさんと話しました。
とある町の産業振興のお仕事にいったら、きゅうすを沢山見せてくれたそうです。その他、置物系の焼き物をたくさん。完全アートの世界。もう、つくり手がアートといったらアート。お値段もそこそこ高い。これが売れないという。

うん、深いですね。
ここからさとう意見です。

これ、業者向け大量生産をやってきた産業が消費者向けの小ロットを作る時に、作りたいものと作れるものを作っちゃう。それがアートに偏ってしまうと、高付加価値の高付加が誰に向かっての付加価値がわからなくなってしまう問題、です。

この急須と置物に機能美はあるのか。
機能だけで考えると、置物系の焼き物は文鎮にはなるかも。
急須は、お茶を入れられますね。

でも、その、そんなに機能美ではない。
そうなると、これが美しくて買う、という人に出会わないと売れない。

その人に出会わないと売れない。
>ユーザーへのチャネル(つながり)がない

その人はどこにいるのかわからない。
>顧客未設定

機能的には低い
>急須を買いに来る人には売りにくい

すなわちアート。
アートだけでは、大量の商品は売りにくいです。

アート=芸術性✕希少性
希少性っていっているのに、大量にあったらまずいでしょ。
でも、アート系の急須と置物、大量にあるんですよ。

機能美追求していて、使いやすくて美しい。
これは大量にあっても売れます。日常の中の機能美。
機能追求委員会なんてみんなで作って、機能美を実現するための最低実施項目を決めてみてはどうでしょうか。

機能性のための最低限項目+各々のアート=機能美のあるアート

というわけで、売れるものを作るなら、使える人を増やす商品がよい。
アートに行き過ぎると、希少性の世界だから、大量に売れるものはつくれないです。
売りたいなら、使われるシーンの多いものを選ぶとよいです。