2015年12月29日火曜日

年末は最強の締切

あと数日で2015年も終わり。FBタイムラインを拝見するところ、みなさん年末に向けて年賀状を書いたり、今年の棚卸しをしたり、掃除や買い出しをされている様子。

年末、コレって最強の締切前の追い込みですね。絶対がんばってしまう。

なんとなく過ごしてしまう12ヶ月間。その間にもちろん誕生日や年度末などそれぞれの仕切りはありますが、ここまで一斉に真剣に仕切るタイミングは、他には見当たりません。

とにかくみなさん何となく忙しない。

スーパーに売っている松やおせちの材料も、お正月が来るから何かしないと、という気にさせられます。クリスマスよりも数段、強いメッセージを感じます。

わたしは、クリスマスは楽しみの雰囲気、お正月は役割のような強さを感じています。日本人らしい何かがいつの間にか備わっているようです。といっても、個人的には、特に何もしませんが。

今年もいろいろありましたが、みんな元気に仕事を続けながら、各々の生活を守っていられることが何より幸せなことだと思います。今年もお世話になりました。明日で事務所は仕事納め。通販のお問い合わせが入っているし、お客様のご予約もいただいており、いつもどおりの営業日になりそうです。

2015年12月22日火曜日

今年は年賀状をやめて寄付をします。不義理をご容赦ください。

節目のご挨拶を不義理にしても、そんなことでは怒られないと信じて、今年は年賀状をスパっとやめて寄付をすることにしました。

医療と生きる全ての人へ、というテーマを基軸に現場の困り事を事業化する仕事をしていますが、このサービスを作り提供し続けられているのは、一重に周囲のサポーターの皆さんのおかげです。

もちろん、一緒に働くスタッフの努力もあります(これは本当に頭が上がらない)。

その皆さんは、きっと私が年賀状を出さなくても怒ったり嫌な気持ちにはならないと思うのです。そんなことで嫌な気持ちになるならば、とっくに怒って私からのメールもメッセージも無視して、電話にも出てくれないと思うのです。そのくらい、私は普段ふてぶてしくお願いをしています。

その皆さんのおおらかな気持ちを信じて、今年は年賀状代に相当する2万円を、応援している団体さんへ寄付することにしました。

ゼロから2万円を稼ぐのは、結構大変なことです。
そして、2万円分の寄付を集めるのも、大変です。

というわけで、本年ピアと佐藤個人は、年賀はがきを出す代わりに寄付をいたします。
不義理をご容赦ください。




寄付先はチャイルド・ケモ・ハウスです。

http://www.kemohouse.jp/
小児がんの子どもたちのための「おうちみたいな病院」チャイルド・ケモ・ハウス。治療中の子どもたちが家族とともに住み、暮らしていける夢の病院です。神戸にあります。

消滅可能性都市の若者が主催する若手起業家ビジネスプランコンペは、裏目的もすごい

FBポストに書いたものをこちらにも転載いたします。


”消滅可能性都市の若手起業家が仕掛けるビジネスプランコンペ。裏側には、目立つと阻害されたり孤立する田舎で、挑戦し始める若手が潰されないように、ファンを増やして、その土壌を育てていくエコシステムづくりがあります。面白がる、ファンがサービスを使う、若手も努力する、それを潰さずに見守る。もう後がない地域も変えていくくらいの力がある場所でした”

安定している地域コミュニティは、たとえそれが衰退していく途中であっても、その状態で安定しています。安定を崩して、何かを始める人はインベーダー(侵略者)です。

変え無くてはならないことは、みんな薄々感づいています。
地域バスがなくなり、人が少なくなり、お店がなくなり、仕事がなくなる。
病院の外来にいる患者さんも高齢化して、慢性疾患で定期的に通院する知る顔ばかり。
地域に子供の声がしなくなってくる。

こうなっても、その地域の生活はなんとか成立していきます。
いま成立しているものを変えなくても、別にまだいいんじゃないか。
新しいことを始めるのはエネルギーも必要です。
自分自身も、変えられてしまうかもしれない。

その膠着した空気の中で、やり始めた人たちは、少なからず嫌がらせもうけています。
マイノリティとして、いやがらせに耐えていくのも、結構辛いものです。

ならば、そのマイノリティがあつまって、発信しつづけて、地域の役にもたち、安定して暮らしている人たちにも「あいつら、まあ、それもありだな」って空気のように受け入れてもらうムーブメントを創りだそうとしています。

これを行政がしかけると、まじめに座談会とかイベントやっちゃいそうですが、彼らは等身大に自分たちのやれることで、やれる場所を作っています。
後がない地域で発生している、起業家を守るためのコミュニティづくりでした。





2015年12月21日月曜日

愛知県唯一の消滅可能性都市、新城の若手起業家コンペの勢いがすごい

新城市は山と自然が豊かな、人口5万人弱の「消滅可能性都市」です。
浜松市から車なら1時間弱でいけますし、舗装された道路が数本通っており2016年には新東名高速道路の新城ICも開通する予定です。アクセスはますます良くなります。
なのに、なぜ消滅可能性都市なのか。

新城市を車で走ってみるとよく分かるのですが、とてもいいところです。豊かな自然とのんびりとした空気感。隅々まで舗装された道路、病院もあります。

でも、何もないような気もします。大きな企業はないので、大人数の雇用の受け皿は見当たりません。若者は出て行ってしまいそうです。

そんな新城市で、新城出身の安形さんが、地域の新しい産業を一緒に盛り上げていく若手起業家コミュニティを育成する「奥三河若手起業家プレゼン大会」を開催しています。2回目となった今年は、審査員によんでいただきました。


会場は大正時代に銀行として立てられた重要文化財「蓬莱館」
重厚感ある地域資源でした。
蓬莱館のブログ
http://horaikan.dosugoi.net/

結論、ものすごく面白かったです。
どうせダメだよ(あきらめ系)、とか、行政がもっとやってくれればいいのに(お上に文句系)なんてことを言っている場合じゃないと参加者全員がわかっているのです。
こんなことやったら面白い、こうしたら面白かった、ということを行政職員・地域おこし協力隊メンバー、地元企業経営者が具体的に発表して、みんなに夢を堂々と語るのです。

思っていて、やりたいけれど、お金がないとか、隙がないとか言っている地域よりも、それの中から面白がって本気でやりだす人がいる地域の方が、面白い。

もちろん、気づいている人たちが集まっているのだから、前向きな話がでるのは当然です。
何がすごいかというと、この人達が継続的に集まり、ゆるくつながり、語り続けられるコミュニティが自然に形成されていることです。あえてセッティングしなくても、円卓会議が成立しているのです。

たくさんビジコンはありますが、みなさん肩書があるので、奥歯に物が挟まっているような質問をしてしまう。それが全く無いのは、小さなコミュニティだからこそのよさです。スタートアップベンチャーにとっては、明日からの仕事づくりのきっかけになるような声掛けが大事。むやみやたらに「この人知っているから、紹介するよ」よりも、「明日現場手伝いに行くわ」が有り難いこともあります。

ビジコンは賞金と勝ち負けだけじゃなくて、その人の熱意に参加者の時間や手間などの自己資源を投資したくなってしまい、本当に自己資源を投下するくらいのファンをつかむ場でもあります。

そんな場の雰囲気にほだされて、一緒に審査員をした、新城市長と名古屋の教育系NPOリーダー毛受(めんじょう)さんも、かなりおもしろがりながら、ぐさっと本音の「それもうからんだろう」「行政は金ださないけど、どうするの」など、近所のおじちゃんみたいな素の質問ができるような場でした。これもすばらしい。

今のところ新城市は比較的豊かです。豊かな愛知県にあり、財源も比較的あるようです。
でも、あと10年が勝負と審査員の市長も語るくらいに、危機感はあります。

日本が危機、と大きすぎることを言われても、自分ができる一歩目はうかびませんが、新城でゲストハウスを仕掛けている若者がいれば、そこに友達3人さそって美味しい郷土料理をたべにいってみようかな、という応援は思いつきます。応援しやすい身近な仕組みは、どこの町でも仕掛けられ始めています。みなさん、地域のビジコン、面白いですよ。

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消滅可能性都市について
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この「消滅可能性都市」とは、 2010年から2040年にかけて、20~39歳の若年女性人口が 5割以下に減少する市区町村」と定義されています。つまり、若い女性が半分以下に減る可能性があり、若い女性がいないと子どもも居なくなるし、生活地域としては持続可能性が低くなりますよね、ということです。

消滅可能性都市については日経BPのイベントで使われたこちらのスライドに詳しく書かれております。人口減少社会の設計図

2015年12月16日水曜日

上海往復11,900円で出張してきて感じたLCCの未来

中部国際空港に中国系LCCの春秋航空が就航しました。このLCCのおかげで、上海出張がとても身近になり、北海道に行く感覚で上海に行くことが出来るようになりました。すばらしい。





http://j.springairlines.com/jp

春秋航空の日本語サイトはこちら。ちょっと覗いてみてください。現在キャンペーン中のため、ただでも安いLCC価格がもっと安くなっています。

数年前に高松ー上海間の立ち乗り4000円を立ち上げようとしてニュースになったアレです。覚えていますか。

あのときは、4000円なんてそんなことはあるわけないだろう、と思っておりました。しかし、現在それとほぼ変わらない値段で上海に行くことができます。

確かに座席の間(ピッチ)が少し狭くて足が窮屈ですし、座席はリクライニングできないし、機内サービスもない、マレイレージも貯まらない。でも、たった3時間くらいの間で、本来の乗り物としての役割は十分に果たしている。ちゃんと乗れるし、降ろしてくれる。道中のショップでサンドイッチを買ってきて適当に食べてもOKです。何の不自由もないです。

空港と飛行機は超階級社会です。
座席クラスの差はもちろんですが、よく使ってくれる上得意さんに対する手厚い対応、カードのステイタス、とにかくわかりやすいランクわけがされています。
堂々と階級制で清々しい。

でも、それとは違う流れがLCCから作られてきました。最初は、LCCなんて安かろう悪かろうで、ちょっとお金払えば一般キャリアに乗れるじゃん、と言われていましたが、LCCが場数を踏んで力をつけてきたら、なんだか違う流れがあるのかもしれない、と我々の目にも未知の未来が見えてきました。3時間くらい、別に狭くても放置されてもいいです。安全ならば。

最初は全く不安定だったLCCの未来が、だんだんとみんなに見える形になってきました。
未来の姿が見えてきて、みんなが理解できるようになると、きっと変わります。


2015年12月6日日曜日

失敗して反省文を送りつけてきても何も変わらないと思う

先日、お約束をすっとばかされました。

こちらは全く興味のない話でしたが、一度くらいは話を聞いてみたらなにか見えるのかもしれない、と思い時間を約束しました。
しかし、時間をすぎても連絡もなく、こちらから電話をかけたら「なんでしょう?」という対応。

おお、見事に忘れていたね!

その件について、後日謝罪文が送られてきました。
そこには、自分のスケジュール管理が出来ていませんでした、ごめんなさい、以後気をつけます、が丁寧な言葉で書かれていました。

感動しました、反省しています、やる気になりました!という気持ちの吐露はとても重要で良いことだと思います。私も感情的なので、怒るし、なくし、吠えるし、とても迷惑な感情人間です。

でも、感情だけでは行動は変わらないと思うのです。
反省しました、スケジュール帳を色分けしてみます、とか、具体的に行動を変えないかぎりその失敗は糧にならない。

仕事をしていると、失敗だらけです。対人間のこともあるし、プロジェクトや取引そのもののこともある。それを反省「だけ」しても、何も変わらない。
なぜ失敗したのか、これからどうするのか、具体的に今からどうするのか、このしつこさがないと変われない。

自戒をこめて。

2015年11月29日日曜日

どこの地方にも同じように日常が流れている。インバウンドだろうが札幌は札幌。

中部国際空港から飛行機でわずか1時間50分飛ぶと、そこは雪国でした。
札幌の連携先に行き、札幌話に花を咲かせてきました。

抗がん剤治療と地域ネットワーク支援の話が本業ですが、そのまわりの雑談で盛り上がりました。


・大通公園がライトアップされてドイツフェスが始まるともうじきクリスマス

大通公園にたくさんの小屋が並んで、ドイツとその周辺国のショップがたくさん出ています。店員さんもほとんど北欧の方でした。


・時計台の地味さが保たれるか


時計台は実際に見ると渋いと言われている。その通りで本当に渋い。中国の観光客の方向けにもとデコる日が来るのかと思うと心配。


・札幌の財政難


雪が降っても財政難のため、歩道に埋め込まれている雪を溶かす電熱線にスイッチを入れてくれない。そのため歩道に雪が溜まっていく。

どの地方でも同じように日常生活は続いていて、メディアで語られるような情報とは少し違う、地方の安定した暮らしや文化は当たり前にそこにあります。トマムリゾートを中国企業が買収したとか、水源を買っているとか、インバウンドで観光客大増加などといった情報とは全く違う次元で、その地域の生活は成立しています。

医療と生きるすべての人へ、というピアのテーマにある通り、私たちは地域で暮らす医療を提供する側(医療者)・提供される側(患者さんとその周りの家族)双方へのサービスを提供しています。みなさんは生活者です。そう、どんなブームが来てもそこで暮らしている生活者。

同じく生活者であるピア連系店の美容師さんと、サポーターの看護師さんとの雑談はまさにその生活者のお話でした。どんなブームがやってきても札幌は札幌なのです。

実り多い札幌出張でした。
課題もいただいてきたので、また近々改善提案に参ります。


2015年11月25日水曜日

生活をガラッと良くしてこそイノベーション

イノベーションは3つの要素から。

1)筋の良い技術
2)それが市場に開放されている(販売されたり使用されたり)
3)それによりガラッと社会が変わって人間の生活が良くなる

そう、イノベーティブな技術だけでは、ちょっと足りない。
それがどうやって日常生活を変えるのか。

たとえばクレジットカードやICカード。
今は当たり前だけど、あれが日常をガラッと変えた感じ。

なかった時は創造もしていないような状況があたりまえになること。
これがイノベーション。

うーん、ワクワクする未来は、まだまだ作れそう!


2015年11月23日月曜日

日本の現場管理能力はすごい。工事中も美しい高速道路。

まもなく開通する新東名高速道路を、開通前に走ることが出来る「ハイウエイマラソン」に参加してきました。
愛知県岡崎市と豊田市のあたりを通る高速道路の、岡崎ICあたりをぐるっと走るコースです。

山の中、ほぼフラットな道路がずーっとつながっていて、マラソン初心者にも優しいコースでした。


真下で止まってこの看板を見る機会なんてもう無いです。よく見ると結構大きくて、少し傾斜しています。ライトがあたって運転手から見やすくなっているらしいです。










山の斜面を土留めしたアンカーボルトも触れました。





ランプウエイはウォーキングコースになっていました。
写真ではわかりにくいですが、コーナーは傾斜していたのだと歩いて納得。


このマラソンで工事中の高速道路を見て、走って、触って、日本の土木技術のすごさを実感しました。
技術的な細かいことは専門外なので評価できませんが、とにかく感動したのが以下3点。

1)ちゃんと工事されている
(中国の田舎の方に行くと工事中の道路の端っこの方に穴が開いていたり塀が無かったりする。)

2)現場が綺麗
(新興国の工事現場はゴミや廃材が散らばっていたり、周りに泥が飛び散ったままになっていることが多い。工事関係車両や重機もきちんと整列している。)

3)工事関係者のヘルメットがちゃんと「ヘルメット」
(中国の工事関係者のヘルメットはおもちゃみたいなものをちょいっとかけている程度)

中国、マレーシア、シンガポールの3国しかわかりませんが、それに比べて日本人の現場管理能力は本当に高いと私は思います。工場も現場も事務業務も、とにかく管理力が平均的に高いです。その代わり、やりすぎで管理することが目的になることが弱み。柔軟に変わることが苦手。

安定が求められる工程管理において、管理をすることは絶対大事なことです。同じクオリティを出し続けられるのも日本の強み。この管理力を柔軟に変化させていければ、まだまだ日本は戦えるはずです。



マラソンイベント会場には、トヨタの水素カー「みらい」の実車も展示されていました。囲いもなく、ガードマンもおらず、ほぼノーガードで高級カーが置かれています。さすが豊田市太っ腹。
興味津々で覗いて触って、ゆっくり「みらい」も堪能。


このゼッケンの裏にはICタグがついていて、ゴールと同時に完走証明書が発行されました。ハイテクマラソンでした。






2015年11月14日土曜日

みかん農家さんが考える、TPPとオレンジとみかんの話が面白い

「だいたい、オレンジジュースとみかんは違うよ」

みかん農家の友人が何気なくいったこの一言で、農業へのTPP影響論議に私が感じていた気持ち悪さの原因が一つわかりました。

そうですよ、オレンジ色で果汁系ですが、ぜんぜん違うよね。
みかんジュースと皮を剥くみかんが満たしている顧客ニーズは違います。
和名みかん、英語名オレンジ、として同じ種類で、生産量をひとまとめにして生産総量を評価することはできますが、剥いて食べるみかん・絞るオレンジ・切って食べるオレンジ・といった質的違いは数字評価が難しい。

TPPtrans pacific partnership)への参加で日本の農業がどう変わるのか、その影響度についての新聞記事は影響度について「影響あり」「限定的に影響あり」「影響は殆ど無い」といった、評価しやすい量的な記載でした。

量的評価は、1-2-3-4-5といった数字でも表せる指標です。
少ない/多い
小さい/大きい

量的評価(みかん系の流通量など、数字で計れる)で語られがちなTPP参加影響ですが、これに質的評価(品種や味、地域の嗜好、マーケット特性、特定マーケット向けの商品とか、とにかく数字で測りにくいもの)を加味してくれないから、消費者としては気持ち悪い感じがしていたのだ、と気づいたのです。さすがみかん農家、みかんと周辺領域のことをよくわかっておられる。

質的評価については数字に表せないので、評価軸を作る人の感性でパターンは無限大になるのです。このパターン出しはセンスを問われます。TPP影響話をするときは、流通量とマーケットカテゴリーの話になるので、売れるものを作れるマーケターのセンスある人に指標を作ってもらいたいです。これはあくまで個人的願望ですが。

質的評価には、産地の違い、さらにその産地内の農家さんが狙うマーケットの違い、販路による違いもあります。直接、市場(仲買人)に出しているのか、JAか、直売か、によっても作る作物品質が違うはずです。それを全部まとめて「かぼちゃ」「なす」「茶葉」など、品種ごとの全体影響を計るのは腑に落ちず、私はコレがとても不思議でした。

モノづくりの大原則の、どのマーケット向け商品かが語られず、種類のみで語られている。おかしい。

それに対する支援策や強化策も、「コメ」「ジャガイモ」「肉」という、種類のみで語られていますが、
本当は種類と品質(マーケットランク)でわけてあげたほうがリアルな市場に近づくはずです。

☆このようなイメージ

種類 |コメ|ジャガイモ|肉   ←量(種類)の横枠
品質上|  |      |    
品質中|  |      |    
品質下|  |      |    
↑質の縦枠





もちろん、本当はそこまで精査されて制度論議されている(と信じたい)はずですが、新聞などの情報しか見ていなかった私には、とにかく気持ち悪かったのです。
議論に質の軸が無いから気持ち悪かったのかと気づいて、ちょっとすっきりしました。

結論、みかんはオレンジとは違う。

(ちなみに、影響のある野菜についても話しました。それはそれですごく納得しました)


2015年11月13日金曜日

普通であることが価値(普通という高付加価値)

脱毛症や抗がん剤治療などで髪が抜けている間に使うウィッグ(かつら)を作っています。

この領域で商品品質と同じくらい大事なことは、使う人の気持ちに沿うかどうか。
使い始めの時期の不安、使っている間の不安は、きっとみなさんの想像以上です。

ここでのお客さまのニーズは、それを使って「普通に暮らせるか」ということ。

この場合の普通は、そこにストレスを感じる事が少ない状態。
脱毛やウイッグにストレスを感じにくい状態で、気にしなくていいような気持ちになるかどうか。

使う時期の状況を考えると、がん治療で人生かわっちゃうような危機とか、脱毛症で髪がどんどん抜けて、この先どうなるのかと落ち込む時期です。

今までの普通が、普通じゃなくなる時期。
その時期の気持ちに寄り添い、具体的に脱毛の憂鬱も解消する。

「気持ち×具体策=解決」

どちらかだけでは、うまくいかないです。




お客さまのウィッグです。ちょっと前髪短め、ショートボブ、まとまりストン系。

ヘアスタイルブックには載らない定番すぎるスタイルですが、それが普通ということです。

ふわっとしたり、ヘアアイロンでアレンジしたり、必要ならばいろいろできます。でも、基本は普通。

お客さまの求める価値が普通であることの時は、普通を全力で作る。これも立派な差別化です。

2015年11月11日水曜日

現場の空気感に嘘はない。いい提案は、現場に足を運んで話すことから。

先月、八王子にある取引先を訪問した時のことです。

約束の時間に伺ったのですが、ちょうどお客さまと重なり、ちょっと時間つぶしに周辺をふらっとお散歩しました。

近所の公園のベンチに座って空を眺めていたら、あっという間に10分くらい経っていました。ほんの10分ですが、事務仕事をしているとこの時間に外を歩くこともなく追われている時間帯。贅沢な時間です。

風の強い日で、空を見ると雲ひとつありませんでした。

その後、お店に戻って取引先オーナーと話を詰めて、2年分のブリーフィングをして気持ちを揃えました。

足を運んで、実際に相手の現場で話し、相手の現場を大事にする気持ちを聞くことは、一見非効率に見えますが大事なことです。その想いをよく感じて、ベクトルの方向性が同じことを確認し、その力を最大限活かすものづくりとサービスづくりにPRODはどう貢献できるのか。その提案は何なのか。

現場の空気感には、嘘がありません。
その時に来店していたお客さまのホッとした顔に嘘はないのです。

相手の仕事の邪魔をしてはいけませんが、少しだけ時間をもらって話すのは重要な事です。美容室の場合、大体10分で1000円くらいの利益単価です。その時間をもらう勇気をもって話しに行きます。そして、お金以上の価値を生む提案をお持ちする。これが営業の仕事だと思っています。

何がほしいのかを言われるのを待つのではなく、私は提案型営業をしています。取引先のマーケットを共に見て、アプローチ方法を感じて、そのためのツールを提案します。パートナー企業としてリアリティある提案をするために、私は現場の空気感を感じに行っております。

新しい提案のお約束をして、この日は終了しました。
今後の展開が楽しみです。


2015年11月10日火曜日

プロボノ会議でした


東海若手起業塾のプロボノ・事務局会議でした。

東海若手起業塾では、ブラザー工業の社員ボランティアさんがプロボノとして、塾生である起業家たちに伴走しています。

グローバル企業も、社員も、変わろうとしています。
その力を活かせるか、事務局の力が問われます。

私自身、この東海若手起業塾の一期生。そして、今期はOBOG会の会長として、運営に関わっています。

東海若手起業塾
http://www.tokai-entre.jp/

2015年11月8日日曜日

犬と出勤できる会社 それは叶いました

夢は叶うか、という話の続きです。
一点、犬と一緒に働ける会社という夢は叶いました。














創業時は子犬だった彼女も、すでに16歳の老犬です。
お客さまのいない時は、自由にお店に出入りしています。
入ってすぐの、皆が通るところで一心不乱に眠る会社犬(グレー)です。

これは、「犬と働く」というわかりやすい目標で、叶うか否かだけ。
評価は、yes/noの2択。

少し前までは、スタッフ子どもの幼稚園児も出入りしていたし、自由に働ける場所が作りたかったという夢は叶いました。

難しいことも大事ですが、欲求とともに、こんな会社を作りたい!という夢も大事です。皆が許してくれれば、こんな働き方も作れます。会社のあり方は、みんなの合意がとれれば、このくらい自由でもいいはずです。



2015年11月7日土曜日

夢はその時点の自分の社会観から生まれる妄想

夢は叶うか、という話です。

個人創業から数えると13年間この仕事をしてきて、セミナーで話をすることが増えてきました。主にベンチャー支援の場が多いのですが、よく聞かれることは、創業期に今の姿を想像していたのか、ということです。

おそらく期待される答えはノーでしょう。
そして、答えもノーです。

私は創業時にこんなことを想像していませんでした。その時には、患者さんの環境と社会への憤りしかなかった。でも、今は、怒っていても何も変わらないと思うので、医療の現場が無理やり頑張っているところを見つけて、それを外側で事業化する仕組みづくりに取り組んでいます。

たとえば、患者さんへの説明を一生懸命やっている看護師さんたちがいます。
でも、それは、なにか使いやすいツールを一個つくったら、いっぺんに変わるわけではないのです。
しかし、現場を近い視点でよく見て、全体も見て、全体を変えるような杭を打つ事業を作ると、
今は奇抜すぎて見えていない仕組みでも、それが当たり前になったら常識になる。
(事前の特異性、事後の普遍性)


さて、閑話休題。
そう、13年前の時点では、環境ごとあるべき姿を見て、そこへのアプローチを細分化して、その一つとしてウィッグを作る、なんてことは考えていませんでした。
仕組みなんて見えてなかったし、知らなかったです。
その時に見えていたのは、1人の患者さんと、その後ろにいるであろう沢山の同じように困っている人たち。そして、自分自身が具体策を持たない情けなさだけです。

夢は、その時点における、自分が見えている社会の中での、現時点での自分のゴールです。

社会とは、個人の集まりです。
その社会は、自分が見えているよりも広くて、多様で、見えない部分がたくさんあります。視点は様々で、立場によって視点は変わります。視点が変われば、同じものも解釈が変わり、全く違う意見が出てくる。社会の広さと種類は、実際のフィールド数×視点の量=∞です。

その中で、自分がこうあったらいいな、と思うのが夢。夢は、不確定な社会の中で、自分が見えている部分だけで作り上げているものといえます。ですから、自分が動き続けて、見える視点が変わってくれば、当然夢も変わってきます。

夢を描くのはモチベーションを上げてくれる手段です。
でも、その夢にあまりにも固執すると、実現可能性が低くなります。視点の変化とともに、自分も柔軟に変化し、社会の中で自分がどう動くと、一番効果的なのか。

そうしていくと、自分が見てきた夢が叶うのとは違う形かもしれませんが、社会の仕組みの役に立つような仕事がつくれると思っています。




2015年11月6日金曜日

プロジェクトを動かすために、相手のフィールドに乗りこもう。

モノと仕組みがあってもうまくいかないことは多々あります。
お上からお金が降りてきて、モノと仕組みを作っても何となくぱっとしない事業。
その仕組を作っている人は楽しそうですが、それはその人の日々のタスクが楽しいだけだったりします。

その目的は何なのか。

その事業を通じて、相手を動かしたかったら、その仕組をもって相手のフィールドにのりこんで、相手の視点で、相手の立場で、一緒に働くしかない。

やってあげてる、用意してある、使って欲しい、という自分の安全基地(コンフォートゾーン)から出ないと、自分は楽です。自分が守れます。でも、それで、いいのか。

プロジェクトを動かして、相手も動かしたかったら、相手のフィールドに乗り込みましょう。

2015年11月1日日曜日

がんになったことが悪いことのように語られるのは心外。病気は罪の罰ではな い はず。

10月はピンクリボン月間でした。ピンクリボンは、乳がんについて考える啓蒙運動のシンボル。世界中で乳がんについて考えるイベントが行われます。

日本でも、タワーや建物をピンク色にライトアップしたり、各種セミナーやイベントが行われます。ここ数年は、ピンクリボンタイアップ商品が販売されたり、身近なものになってきているように感じます。

そこでもう一回、そもそもを確認。
なんのためにPRしているのか。

私が思うところ、以下3点の目的があります。
・検診や治療について、現在の乳がん診療について広く正しい情報を広めること
・乳がんについての研究をすすめること
・乳がん患者さんについて社会が正しく理解すること

乳がんになったら怖い、困る。だから検診にいこう、と闇雲にターゲット層以外も煽るのはもうやめましょう。医療も検診も、完全ではありません。

乳がん検診を受けていても、急激に大きくなるがんは、たしかにあります。
不安です。わかります。私も不安です。

でも、そんなに大切なことだからこそ、きちんと「なぜ」を考えてみませんか。

日本ではマンモグラフィによる乳がん検診を40歳からと定めています。これには根拠(エビデンス)があります。多くの患者さんのデータを研究してきて、40歳未満での検診受診にはメリットがなく、無駄に検査で放射線を浴びるだけだとわかっているからです。

もちろん40歳未満でも、乳がんは発生します。
でも、それを若いうちからマンモグラフィ検査をうけるハーム(不利益)の方が大きいのです。

40歳未満の人には、自己触診で触ってチェックすることが推奨されています。
マンモグラフィ検査を受けても、若くて母乳を作る乳腺が濃いので、がんが見つかりにくいのです。乳腺が痩せて少なくなってくる、かつ、乳がんの発症が多くなる40歳からと決められているのには、理由(エビデンス)があるのです。

ただ、これについては現在少し違う見解も有り、検診で発見しても、自分でしこりに気づくなどの症状がでてきてから治療を開始しても、生きている時間の長さと質はあまりかわらない、という発表も有ります。検診も日々情報アップデートされています。

患者さんの中には、定期的な乳がん検診や自己触診をしていても、乳がんが大きくなってから発見される方もいます。そのときに、乳がん検診を受けていたのに、と本人が落胆したり怒りを感じるのは、避けられない正直な気持ちです。そのぶつける先もなくて、思うことを口に出したり書き込んだり、医療者にぶつけるのは、仕方ないと思います。本当に気持ちのやりどころがないこともあります。

実際のところ、がん検診は完全ではないし、私たちの身体は日々がんを作り続けています。がんになることは、さけられないことなのです。
でも、その時に、がんになるような生活をしていたとか、身体を温めていればよかったのに、など、がんになった人が悪いと受け取れる情報が流れていますが、そんなことはありません。

たとえば、がんになりやすい生活というのは、沢山の人達の生活データを長い間蓄積して、それを分析して、こういう生活をしていた人たちにがんの発生率が高い、と統計上だしたものです。たしかに傾向ではありますが、それだけではないのです。もっと大きなことなのです。

どうぞ、これを機にがんと生きることについて考えてみてください。
がんになったら、この世の終わりで、もうあとは治療と生きて自由なし、なんていうことはありません。人は年齢とともに病気になりやすくなります。それががんなのか、内蔵なのか、足腰なのか、それはわかりません。みんな同じです。

がんになった人は、何かの罪を犯し、その罰でがんになったわけではありません。
衝撃的な話題として語るマスコミや、SNSでキャッチーな意見を書く方、根拠の少ない代替療法について語る方、みなさんは、その意見をなんの目的で書いているのですか。私にはわかりません。

これからの患者さんと、医療を取り巻く環境をもっと良くしようと思いませんか。
少し俯瞰して、その意見はなんのためか、自分の影響力を考えてみてください。

毎年10月が少し憂鬱です。
有名人が乳がんになってその特集が組まれる度に、また目的意識の薄いPRが始まったと憂鬱になります。振り回されるのは、患者さん、医療者、周りの人、この騒動はどんどん加速している用に感じます。

ここらへんで一回、そもそもなんだったっけ?と考えてみる時期だと思います。

=====
以下補足
乳がんについての一般情報は、こちらをご覧ください。

遺伝性乳がんについては、検診年齢が別途定められています。
遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)について

乳がんは、女性に多いがんです。乳腺という、母乳を作る腺(せん)に発生します。
病気についての詳しいことは、国立がん研究センターのこちらをご覧ください。
乳がんについて

女性だけ?と思われがちですが、男性にも乳がんは発生します。
乳がん患者全体の1%未満ですが、発生しています。




2015年10月28日水曜日

浜松市の市民協働推進委員会の委員になりました。

浜松市役所の市民協働課が設置している、これからの市民協働について考える委員会の委員を拝命いたしました。任期は2年間です。

極力委員会はお断りしているのに、なんでこれは受けているのかについて少しだけ。

私は浜松市生まれで現在浜松市在住です。
でも、地域に何も還元していません。これだけ外に出ていて、家にはほとんどいない。自治会活動もしていないし、地域活動もしていません。地域・市民活動を行う方々の相談業務は業として受けていますが、自分は直接何も発言しないし、動かないし、責任もとっていない。

外野からコンサル風に文句ばっかり言うのではなく、自分も中にはいって一つくらい責任を果たしたいと思い、市役所のお仕事は基本的に断らずに全力投球しています。

現在、浜北区協議会協議員(2年目、今年で終了)と本件の2役を拝命しております。
行政自治は「お上のさじ加減」で上から降りてくるものから、「もの言い動く市民が共に動かす」自分たちの行政にかわりつつあります。

昔は、PRひとつプログラムひとつ作るのにも、専門家の手が必要でした。
今は、ITが便利になり、みんなの意識もかわり、言っている間に自分たちがやれば、不便な状況が変えられるようになりました。

人口も減り、行政予算も減り、行政職員も減ります。10年後には、ひょっとしたら半分の人数で倍のタスクを市役所が負うようになるかもしれない。そんなとき、「お上」の仕事を市民が日々のお金を稼ぐ仕事としてやる時代になるかもしれない。

CSV(creating shared value)は、行政のお仕事もターゲットです。自分たちがやる。仕事で、マーケットがそこにある、仕事でのりこんで何が悪いのか。

遠慮無く仕事で乗り込んでくる人が増えるような指針を目指して、2年間市民協働推進委員会のお仕事をさせていただきます。


2015年10月26日月曜日

MOT授業にて。コピー製品を作られたら?形を作る技術は真似できるけどね。

久しぶりに母校!静岡大学工学部MOTの授業でした。
学生さんとのセッションは私のほうが勉強になることも多く、楽しい授業でした。MOTらしく、社会人学生が3/4ですので、各業界から見た考え方の違いがよくわかり、とてもエキサイティングです。


静大MOTのメイン棟。静岡大学浜松キャンパスの西奥にあります。
この日は、風が強くて雲一つない晴天でした!


ものづくり、というのはその名の通りものを作ることです。ものづくりの「形を作る技術」は3Dプリンタを筆頭に、低コスト・短納期・少単位でものを作り始められるようになりました。昔は1ショット1000個〜数万個(1個の金型で作る最小発注単位)だったものが、多少単価は高くなりますが、数個からでも作ることができます。初期ロットのリスクを下げられます。この辺りは専門外なので、勘違があったらご指摘ください。

さて、閑話休題。

上に書いたとおり、形のあるものは、その気があれば比較的低コストで形を真似ることができる、というこの時代。学生さんから「頑張って作ったものを真似されたらくやしくないですか?」「バラしたら真似できる」ともっともなご質問を受けました。(形を作る技術は真似できる)

特許をとる、という方法もありますが、特許はとるまでに大変、とってからも維持コストがかかる、真似されたら裁判を起こして初めて効力発揮、などなど、国際社会的にはよっぽどの特別マル秘技術以外には大して効果がないのではないか、というのがわたしの持論です。特許を取る人の自己満足ならば、いいのですが、事業的にメリットはどの程度あるのでしょうか。

弊社のターゲットユーザーの場合、患者さんたちの生活を良くするためには、特許をとることよりも、それが市場で認められて浸透し、いつの間にかあって当たり前のモノ・サービスになる方がいいと思うのです。

このように、浸透して基準技術になることを、標準を取る、と言います。

標準になれば、当然真似されて改善されます。Aという技術なら、A’になったりA''+@になったりします。(おまけが付くこと。)
そこからもう一歩言ってBになるかもしれない。(進化して形が変わること)

それもOK。技術そのものは盗める。でも、それを最大価値化した市場の姿のイメージは私たちの頭のなかにしかありません。
you cannot steal the image in our head.
(頭のなかにあるものはぬすめないよ!)

MOTには2つのテーマがあります。1つは、現場の生産効率最大化、つまりものづくり現場改善。もう一つは、ものづくりの価値最大化、つまり商品・サービスを市場で最もかっこよく動かすディレクター役割。

ものづくりの価値最大化を考えると、もの自体はツール。
ツールのクオリティが高くて、顧客ニーズにマッチしていることは当然。そのツールが顧客の毎日の、どのシーンで、どのくらい、どんなニーズにマッチして、人々の生活をハッピーにするのか。

アップルiPhoneは、まさにこれです。
iPhoneを中心として、使う環境そのものをつくった。
毎日の生活をiPhoneが変えた。

しかも、いろんなサードパーティが入り込んでくる仕組みを作って、自転させている。大枠をつくって、成長パーツは市場に任せる。そのおおらかな自信を私は本当に羨ましいと思う。自信をもって、ここまで懐開けるか、と。

結論は、物自体は盗めるかもしれませんね。
でも、ものを使った市場へのアプローチ全体像は真似しにくいと思います。

布もののものづくりには、そんなにすごいコア技術はありません。
でもピアとPRODは、市場と個人個人のニーズ、組織の動き、業界全体の動き、それを人単位で見て必要なことを作っている。現場改善のためにツールとしてものづくりを考えているから、ものづくり自体は真似されてもビジネスモデル全体は真似できない。
もし出来たら、その程度のものだったってことです。

腹をくくって、懐開いて市場の改善のために価値最大化しましょう。
日本のものづくりはレベル高いです。QCもすばらしい。
コピーは作られます。そこは諦めよう。




2015年10月25日日曜日

サイバーッて感じ。大阪駅とインバウンド観光ビジネス。

先日、大阪出張時にちょっと気付いたことです。

外国人のお客さま、多いですね。
関西空港から他の場所に移動するお客さまが通過する大阪駅、言語も見た目も多様な人がごっちゃごちゃしていました。

おお、これが噂のインバウンドビジネスのターゲットユーザーか!といまさらながら感動。

その現場、大阪駅は関西弁のちゃっきちゃき日本ぽい日本ですが、在来線ホームから見上げると、こんなにサイバーでした!

ちょっと上海東浦空港に雰囲気がにています。

インバウンドと騒がれていますが、その現場は地域の日常生活現場。
視点と世の中がかわると、マーケットになって、お金が流れる。

いつもどこかに流れている大きな流れにのりつつ、事業展開をしていくアンテナと度胸をもって事業展開をしていくべし。


2015年10月21日水曜日

海外調達、北朝鮮でも作っています

ウィッグは生地に髪の毛を植えていく気の遠くなるような手作業の連続です。

弊社のウィッグの一部は北朝鮮でも作業を行っております。
中国の取引先が、一部の作業を北朝鮮で行っているのです。

作業は細かいですが、通常よりも納期が長くなります。仕上がりはきれいです。値段は中国国内で作るものとほぼかわりません。



最後の品質チェックとカットは日本国内で美容師が行います。
きれいに仕上がって、困っている人の人生を明るくしてくれる魔法の商品です。

2015年10月14日水曜日

柔らかい発想とユニットバスの灰皿受け


出張先のユニットバスに時々ついてるこれ。

名刺より一回り小さいサイズでトイレの脇についています。



なんと!灰皿をつけるパーツでした。


禁煙ルームがとれなかったので渋々の喫煙ルーム。しかし、ここでわたしの長年の謎が一瞬にして解けました。

自分の世界やルールから外れてみると、そこには違う世界の常識がある。マーケットのユーザーも多様。多様なニーズにもっと触れて頭を柔らかくすると、もっといい提案が浮かぶかも。



2015年10月7日水曜日

真空パックの肉とジャムとクッキーのお土産はもうやめたほうがいい。うどんの種類の方がずっと個性的だよ。

全国、おみやげコーナーって似ていますね。

真空パックの肉加工品。
地元の銘柄肉を使った常温OKの加工品。

地元のフルーツや乳製品を使ったケーキとクッキー。
ジャム。

和菓子。

どこも同じです。
特産品という名の没個性商品たち。

これら、同じコンサルさんが作っているのか?!と思わず疑っちゃいます。

それよりも、うどんの生地×だしの種類、こっちのほうが個性があります。
楽しいですよ。

九州のうどんはホワホワで、わたしはこれ大好きです。
九州滞在中は毎日これでもいい。

ごぼ天も好きですが、温泉卵も胃に優しくて大好き。

ほうとうのかぼちゃの甘い感じもいいですよ。
北海道のすき昆布が入っているうどんもいい。
九州のあごだしも、関西の薄い色の上品なおだしも、東京のちょっと辛めのだしもいい。

ずっと個性的だと思いませんか。
おみやげ商法はそろそろ路線変更したほうが良い。


2015年10月2日金曜日

ゆるくやってもいいですよ。ソーシャルビジネスも事業も、取り組み方は自由です。

ソーシャルビジネスは困っている人の困り事を解決する事業のこと。ピアで言うと、脱毛すると生きにくい、これが「困り事」。その時期もサラッと過ごせるような仕事をする、これが「解決する事業」です。

ついつい熱く語ってしまいますが、その事業化のスピードややり方は、自由です。
ものすごく熱く駆け抜けるようにやる人もいるし、じっくりやる人もいる。
それでいいのですよ。

事業だから、それが役に立っていれば、コチラ側のスピード感なんて関係なく浸透するでしょうし、それがニーズに合っていなければ潰れるだけです。

ソーシャルビジネスはどうしても熱く語られますが、多様な人たちが事業化したほうがいいと思うのです。手法はいろいろあった方がいいし、失敗も成功もケース数が増えるともっとより良い方法をみつけやすくなります。

本当にこまっているから、正回答はひとつではないはず。
役に立てば、それは解決方法です。

少し肩の力を抜いたソーシャルビジネスも許してあげてください。
事業化支援側の暑苦しさが、この世界を狭くしているのが悲しくてなりません。

誰のためって、困っている人のための事業です。
もっとたくさんの人に乗り込んでもらうことも、考えないと。

2015年9月29日火曜日

タスクをこなす人とタスクを作る人の違い。ここがポイント。

仕事がデキる人ってどんなひとですか。
忙しそうに見えて、バンバン片付けていく人、かっこいいですよね。
でも、それは、タスクを作っていますか。

仕事には2通り有ります。

ひとつは、タスクをこなす人。
やるべきこととゴールがある程度きまっていて、それを時間内に仕上げる人。
世の中の仕事の8割はこれです。
これは、人に依頼することが出来ます。ゴールが決まっているから、それに向けて創意工夫しながら、タスクをこなせばいい。

もう一つは、タスクを作る人。
患者さんをハッピーにしたいと考えて、何をするか決めていきます。

お茶会サロンを作るのか、リーフレットを作るのか、美容室を作るのか。
今ないものを、どんなコンセプトで作るのか。
なぜ、今なくて、それがなくて誰が困っているのか。

仕事がデキる人は、タスクがこなせて当然。
ここがお金になる仕事の源泉です。
そして、そのタスクが作れる人。
効果的で困りごとが減らせて、お金も稼げるタスクを作る人です。

ソーシャルビジネス、ちゃんとお金も稼ぎましょう。
強い組織になり、困りごとを抱える人達へ安定感あるクオリティ高いサービス提供を目指しましょう。

ビジネスバンザイ!のみなさま、ちゃんとやっているソーシャルビジネス領域の人たちのニーズ感性を知ったら、私たちとフェアに仕事をしたくなりますよ。

ご相談絶賛受付中です。

ーーーーーー
PROD(プロッド)は、タスクを作るカウンセリングを、モノづくりを通じて提供します。
http://prop.blue
ーーーーーー

2015年9月27日日曜日

たまには絞られます。3年後を考える。

真面目に私も絞られています。

ピアの最強サポーターさんと事業展開ミーティングでした。

看護学生時代に実習の隙間をぬって始めたことが社会課題解決プロセスにのっていきます。




2015年9月26日土曜日

想いを業にするコツ。社会起業家枠のお仕事でした。

静岡市が行うの人材育成塾のパネリストをしてきました。

社会起業家枠で話すテーマは主に3つ。

1 自分の仕事
2 事業化の視点
3 社会的事業の現場作り

3つ目は、想いと熱意をどうやって仕事にするのかの話。

仕事にするために大事なことは、難しいロジックの話ではないのです。

やり方のハウツーは、たくさんあるけど、そんなことより

あなたはユーザー見てますか。
どうやってみていますか。
どうしてもやりたいですか。
業にするのは、どこですか。

そこ、見失うと、うまくいきません。




2015年9月25日金曜日

10年もたつと、(取引先+友人)× 思いやり、仕事は仕事だけじゃない。

創業から13年間、ずっと中国でモノづくりをしています。
途中に反日や為替レート変動、取引先の操業停止など、いろいろ山はありましたが、現在までいくつかの会社と取引をつづけてきました。
続けてこられたのは、一重に「友人」のおかげです。

中国ビジネスでは、事業パートナーも「友人」と紹介されます。
"She is my friend." といわれますが、”My business partner”と言われることは、ほぼ皆無です。海外商取引経験の9割が中国なので、ほかの国のことはあまり良くわかりませんが、とにかく友人・家族という感じです。

ご飯も、特別なものを食べに行くわけではなく、その辺の食堂でガツガツ食べますし、担当さんと一緒にコンビニのおでんを買いに行ったり、何かと「普通」です。

そんな10年来の友人から、月餅の写真が届きました。
「今週日曜日は中秋節だよ、月餅の写真を見て、食べた気になってね。」


中国の月餅は高さのある、ずっしりしたおまんじゅう。中身はごま風味の小豆あんがスタンダードですが、いろいろあります。


ものやお金を贈りあわなくても、ちょっとしたことで嬉しい気持ちになります。
素敵な友人と、これからもいい仕事を続けていけそうです。



2015年9月23日水曜日

うれしかったこと

先日、青空オフィスを楽しんでいたとき、ちょうどお客さまの会話を聞きました。

「よかったね~」
「うん、ね~」
「いいよ、いい。」
「うん、ね~。」
「ふふふ、ご飯食べてく?」
「うん、そうしようか。」

ちょっと明るい声のこの会話。
これで、人生ぜんぶ救われるくらいに嬉しかったです。

ああ、仕事していて良かったです。


2015年9月22日火曜日

東大合格のために恋愛は不要かもしれない。でも、人生を豊かにするのには恋愛 も必要。


創業支援の現場で、私は相手のことをどれだけ勝手に妄想して慮ることができるかについて、「好きになっちゃった相手=お客さま」だと考えてみてもらっております。

だって、恋愛は交通事故のようなもので、好きになっちゃったらしょうがない。
こんな経験、みなさん若かりし頃にありませんか。

自分のサービスをお届けしたい人のことが気になっちゃって気になっちゃって、あれやこれや考えて、こんなことしたら喜ばれるか、はたまた嫌われるのか。
考えると夜中まで悩んでしまう。
これって、恋みたいでしょう。

恋愛では、相手の心に自分の心を寄せていきます。

自分の思いを押し付けてもダメ。
相手の事ばっかり聞いてもダメ。

なんとかしたいと思うし、なんとかなろうと努力する。
結構な確率で失敗を繰り返しながら、押したり引いたりする。
ロジックではうまくいかない。だって、相手は生き物だから。

この経験は、東京大学という大学の入試そのものには関係無いかもしれません。
しかし、東京大学を経て得たものを社会に還元していくときには、必要でしょう。

結論。

恋愛も必要。
勉強も必要。
どっちかだけでは、ダメ。

恋愛の経験は、今しかないよ、今だよ、若者よ。

====================
東大合格に恋愛不要論、が話題になっています。
「東大・恋愛・不要」で検索すると、お母さんの書籍と一緒に大量の情報(デマ含まれると思う)が出てきますので、ご自由に検索をお願い致します。

2015年9月15日火曜日

成功事例のまねっこ移管はがうまくいかない理由を考えてみた。

社会的事業の場合、課題全体を解決改善することを目的とするので、垂直立ち上げ×ヨコ展開で一気に解決モデルが理想の一つとされています。

今困っている人が局地的に減る(地域限定垂直立ち上げ)、これでまず成功事例を作る。その後、成功事例をヨコ展開する。そうすると各地で課題が解決される、という発想です。

ええ、うまくいきませんよ。
うまくいくわけない。
スターバックスも勝手に均一レベル展開できるわけじゃないでしょう。
現場のクオリティあげるのは、そこにいる個人なんですよ。
(あたりまえ)

最後は人だよね、といって人を育てだしたりします。
それも、うまくいかない。
だって、育ててもらおうと思う人ではイノベーティブなことをするまでに時間が掛かる。
それでは、現状打破の今ないソリューションは出てこない。

企業が人材をコントロールすると、失敗が減ります。
コンプライアンスを守って、失敗しにくくて、足を引っ張りにくい。
そのかわり、瞬発力あることする良い志をもつ不良はでてこない。

ヨコ展開をルールを守って失敗少なくやりたい。
でも、革新的なこともしてほしい。
革新的なことをする前に、会議にかけて稟議通してコンプライアンス順守してね。
そんなの、むりでしょう。

桁外れの競走馬を飼いたいけど、小さくて囲われた馬場で静かに過ごせ、と。
時々のレースの時だけ、オーナーの言うこと聞け、と。
むりむりむり。

成功事例のまねっこ移管がうまくいかない理由は、移管に乗ってきた人たちが成功事例に強く惹かれているからです。そのとき、顧客(ターゲットユーザー、困り事を抱える人、困っている真ん中の人)よりも、成功事例の方を向いている。

成功事例は、顧客のことばかり考えてちょっぴり型破りなことをしてきた結果です。
型破りしつつ、現場で顧客の反応を見つつ、社会の風向きを感じつつ、ぎりぎりのところをすり抜けてきているのです。

事例のまね事にお金を出すのはやめましょう。
その前に、顧客と膝を詰めて話してみませんか。

2015年9月9日水曜日

小児がんの理想の病院は家です。日本で初めての家みたいなクリニックを作っ た チャイケモから、事業のゴールイメージを描くことを考える。

神戸ポートアイランドの医療特区にあるチャイルド・ケモ・ハウス(以下チャイケモ)にいってきました。
小児がんの子どもと家族が家のような環境で療養できる、おうち診療所です。

今日のブログは、マネタイズとかサステナビリティの話を外して、人間の情緒的な感情論で書きます。
ですから、他のポストとは全く整合性がないかもしれません。あり方とかそんなことはどうでもいいと思うくらい、みんなの頭のなかの「創業あるべき論」をまっさらにして、考えて欲しい「事業のゴールイメージ論」です。
自戒を込めて、あえて書きます。

ポートアイランドの一角にあるチャイケモ。小児科の有床診療所です。

プレイルームの一部。プロジェクターでシアタールームに変身します。
小さい個室のリビング部分です。
小さいと言っても十分な広さです。
全ての個室にキッチンとトイレ・バス・洗濯機がついています。


個室内のプレイルーム。
写真は、ここのクリニック医師、楠木先生。

手作りのおままごとセットとお茶目な楠木先生。

施設内のすべてのスペースに大きい窓や天窓があり、自然の光がはいります。
病室的要素は、壁に酸素とナースコールがあることと、感染予防対策としてところどころガラスドアで仕切られていることくらいです。

家のような病院、良さそうでしょう。
いいんですよ。そして、すごく大事なことです。

小児がんは子ども1万人あたり1人の割合で発生します。子どもの数が増えると、患者数も増えます。現在だいたい毎年2000〜2500人くらいが小児がんを発症していて、治療を続けている子どもの数は16000人くらいいます。

2000人が発症して16000人の患児がいるということは、8年位治療が続いている計算になります。経過が長いんです。

その間も、子どもは成長して発達していきます。
この時期を、子どもと家族はこんな環境で過ごしています。

小児がん患児の実際の病床。左が患児のベッド、右が付き添いの親のベッド。
わずか2坪の空間で治療期間をすごします。カーテンの向こうは隣のベッドです。
リンク元:チャイルド・ケモ・ハウスHP
http://www.kemohouse.jp/03_kemohouse.html



信じられない。
遊びも、治療も、眠りも、時にはトイレも、日々の生活のすべてがここ。
子どもが大声で泣いたり、親と笑ったり、そんなこと、ここではできません。

感染リスクがあるので、親以外の兄弟祖父母親戚には会えません。
ずーっと、ここで、このコミュニティで、あなたの子どもを育てたいですか。

子どもは未来だ、財産だっていうならば、小児がんになった子どもたちの生活環境にも目を向けてください。
たった2万人弱かもしれない。
でもさ、日本に住む日本の未来なんですよ。

彼は、サポーターチームと一緒にこのチャイケモを作りました。
今までの医療ルールに則っていなかったので、入院施設のあるクリニック(有床診療所)として認可されず、開店休業状態の時期もあったそうです。そして、今も入院する患児は少ないそうです。

さて、ここで創業の話にもどります。

創業は、いろんな姿があります。
食べていくための手法として、儲かることをやるのも創業。これ、当然。
夢だけではチームを養えませんから。

ゴールは何ですか、と聞かれた時に、これくらい具体的にハッピーな状況を想像できれば日々のタスクなんてなんとでもなります。方法をひねりだし、後は必死で働くのみです。
大事なのは、このハッピーなあるべき姿と、だれを幸せにしたいのかを具体的に想像することです。

事業のゴールイメージを具体的に頭のなかに描く、それを表現すると、みんなが支援しやすくなります。社会的創業に欠かせないことです。

何をしたいのか、と問われて困る創業者さん、ぜひ考えてみてください。
具体的な達成イメージがあれば、あとは大丈夫。
具体的にがんばる方法を模索するのが創業支援のお仕事です。
そこは、どうぞ私たちに任せといてください。
(大きく出てみた、がんばります!)

チャイルド・ケモ・ハウス
http://www.kemohouse.jp/index.html

2015年8月1日土曜日

人としてのあり方にもイノベーションを。

ずっとかわらない人、というのは、本当に変わらないのか、という話。

あなた変わらないよね、というコメントは8割方褒め言葉に使われます。時々、嫌な人がいつまでも嫌な感じで、本当にあの人は変わらなくって、とあきらめ感と共に吐出されることもありますが、大概は褒め言葉ではないでしょうか。

さて、この変わらない人は、本当に変わっていないのか。
私は、ノーだと思います。

変わらないのは、その人のあり方。
おとしものを探していたら、なにかお困りですか?一緒に探しますか?を言える人、とか。絶対に食べることは後回しにしない、とか。ちょっとした時に垣間見えるその人らしさ、それが変わらないものなのではないでしょうか。

社会人になると、同じことの繰り返し業務が増えてきます。
同じことをやっていて、その世界の世界観だけで生きていくことも、おそらく出来るでしょう。

しかし、私たちの生きる世界では、日々環境変化がおこっています。
IT技術も、文化も、価値観も、イノベーションの毎日です。
ここで暮らす人としてのあり方も、変わっていくのではないでしょうか。

日々の成長を緩やかなスロープだとすると、イノベーションは段差が大きな階段。

脱皮のタイミングに、ちゃんと皮を脱げる。階段をぐっと上がる勇気をもてる。
その時に、冷静に周囲の環境を評価できる。
自分がどう振る舞うと、周りが一番ハッピーになれるのか、それを考えて階段をぐっと登る勇気をもてるか。

人としてのあり方のイノベーションを楽しみながら、時代とともに生きたいです。




2015年6月8日月曜日

市の協議会って面白い、一般社会とは乖離した「意見の会議」

静岡県浜松市の浜北区協議会の協議員をしています。1期2年の2年目に入り、やっと公共会議の文化に慣れてきました。そういうことか、と、仕組みを知る日々です。本日の会議でちょっと面白い気づき。

会議の有効性に関する評価は結論と価値評価だけではない、というなんとも曖昧な気づきです。

参加と意見が価値になる会議
会議の9割は無駄だとか言いますが、顔をあわせて時間を共有することは無駄とは言い切れないような気もしないこともないこともない。
数値的成果目標をさほど考えなくてもよい会議もあるのです。

会議も仕事なのでコストがかかります。成果>コスト、が大前提です。
今すぐ成果がなくとも、中長期のゴール達成のためにその会議が必要なら、やる意義がある。ないなら、やめればいい。
会議を開くときには、人員とその場所を使います。
どちらもコストです。
オブザーバー含めて参加者が増えれば増えるほど、その会議のROI(retrun of investiment費用対効果)が求められると思ってきました。

でも、協議会の会議はそうじゃなかった!!!!!

意見に価値あり
内容は伏せますが、「で、それやってなんの効果が?達成目標は何なの?」と質問したところ、これを話しあう事自体が目的らしい。
よく聞けば、私達協議員は市長からのオーダーで協議会に参加しており、市長が協議会の人でこのテーマを話し合って、どんな意見が出るのか聞きたい、という目的の会議もありなのです。

事件は現場で起きている。
ルールを作った人に現場のフィードバック
慣れ合いは無いが、そんなに価値ある発言できているか?
という疑問も若干わきましたが、実際に現場で地域を動かしている関係各所のトップランナーたちの意見は、現場で何が起こっているのかを反映していて正直とてもおもしろいです。面白い、という言い方は失礼かもしれませんが、どんな論文より、書籍より、今起こっていることがリアルです。それに、人間なので、今コレに関わっている人たちの憤りや困った感が、感情とともにぶちまけられるのです。

公開しているから、見に来てください。
たぶん、予約は不要です。
役所に聞いてみてください。



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■思ったことメモ
会議の目的ははっきりさせたほうがいいです。
たとえしょうもなくても、意味ある会議もある。
すっごい一生懸命資料を作りこむ会議は資料作りこんでいる手間を他の仕事に向けたら効果100倍じゃないか、と思う。
テーマが「お知らせ」の場合、ROIは低め。
通達文書をもらって共有、チャットで会議、ビデオ会議、時間節約の方法はたくさんあります。でも、顔を合わせるのは重要。
場所の共有から生まれる空気や人間の関係性から生まれる決定もあります。
たとえ、しょうもない場だとしても。




2015年5月30日土曜日

患者サポート事業はどこに向かうのか

中部電力KORYUサイトとのコラボブログが5月末日をもって終了となりました。
3年間、患者さんはじめ一般の皆さまに向けて患者サポート事業の人はこんなことを考えています、ということを書かせていただきました。

ところで、患者サポート事業はどこに向かうのでしょうか。

困り事を抱える人=患者さん、と捉えると
困っている人はお金を出すからビジネスになる、と言われます。

患者さんに買ってもらって、何を解決していくのかを明確にしていくと理解されやすくぶれにくくなります。

私の場合、ピアの事業は患者さん自身が治療をやり切る気力と生活を支えることだと考えています。一番大事なことは、命です。
医療チームと患者さんが治療をがんばります。
その気力と生活を支えることは、ピアの仕事です。

それを考えさせてもらった3年間のKORYUブログの最後のご挨拶記事をコピーします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下KORYUブログより転載
http://ameblo.jp/koryu-sato/entry-12032754582.html

5月31日をもちまして本ブログは終了です。
3年間、KORYUコラボブログをかかせていただき、多くの方に読んでいただくことが出来ました。ありがとうございました。

患者さんたちのことと、それを支える私たちサポーターのことをできるだけ正直にお伝えしてきました。時々、患者さんと私達のことを美化して報道されることがあります。
いいことやってるね、と言っていただくこともあります。
悪いことではないと思いますが、日常は普通のお仕事です。
そして、患者さんたちは普通の地域に住む市民の皆さんです。

ただ、その市民の皆さんが少なからずつらい状況にあることをご理解いただきたいのです。

患者さんたちは、治療中嫌なことをたくさん体験します。
がん、脱毛症、という本当に嫌な病気そのものの体験と、それに付随する脱毛や時には乳房切除や手足のしびれ、味覚変化、光線過敏症による湿疹、顔のシミ、どれも嫌なものです。
体調もすぐれない日が出てきます。
気持ちが落ち込めば、体調も気力もいつもよりトーンダウンします。

そんな時期を過ごしている患者さんたちが、日本全国に居ます。
国立がん研究センターホームページに公開されている情報によれば、2011年の乳がん患者数(発生)は約72500人です。
毎年これだけの人が「患者さん」になります。

東海エリアですと、愛知県犬山市の人口と同じくらいです。
一つの市と同じくらいの人が毎年乳がんになるのです。

犬山市HPより
2015年4月30日現在の市民人口74,765人
<a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20150530/08/koryu-sato/8a/4b/p/o0800040913321955956.png"><img src="http://stat.ameba.jp/user_images/20150530/08/koryu-sato/8a/4b/p/t02200112_0800040913321955956.png"  alt="" width="220" height="112" border="0" /></a>

他のがんも含めると、年間約150万人くらいの患者さんが治療を続けながら生活しています。入院している人もいるし、自宅で生活しながら外来や訪問医療を使いながら暮らす人も居ます。
この数は少なくありません。

この患者さんたちが、病気を経験しても自分の生活が続けるために、ちょっとだけ特殊なサポートが必要です。その一部を私達の会社はやっています。
プロの仕事は、何気なく毎日を過ごすお手伝いに尽きます。
目立たず、かっこいいこともないけれど、自然に役に立っています。
それでいいと思います。

<a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20150427/18/koryu-sato/8a/d8/j/o0230023013288821392.jpg"><img src="http://stat.ameba.jp/user_images/20150427/18/koryu-sato/8a/d8/j/t02200220_0230023013288821392.jpg"  alt="" width="220" height="220" border="0" /></a>

病気になっていろいろ嫌なことや大変なことがあったけど、なんとか乗り越えてこれたし、生きててよかった。
治療が終わって日常に戻り、こう思えるサポートがまだまだ必要です。

正直なところ、髪は生えたり生えなかったりです。
本当に気まぐれで困ってしまいます。
その気まぐれと上手に付き合うサポートを各地で心あるヘアサロンさんが提供しています。

もし、脱毛を体験することになったら、病院の看護師さんたちに相談してみてください。脱毛はカバーできます。だから、治療を一生懸命やりきってください。
辛い期間で、心が折れそうになることもあると思いますが、必ず状況は変化するし、その時期は通り抜けます。

患者さんも、地域に住む普通の人です。
皆さん各々の生活があり、各々の役割があります。
どうぞ、それを続けて人生を楽しんでいただけることを切に願います。

3年間ありがとうございました。

引き続き、中部電力KORYUサイトをお楽しみください。
http://www.chuden.jp/koryu/

2015年3月10日火曜日

どうやって売るのか、についての考えメモ。

言われたら作れるから、売ってきてくれる人を探しています。
売れさえすれば、作れるんだけど。

売れて使って頂いて、使う人の生活を便利によりよくするための技術であり、そのためのものづくりですから、作りたいものではなく、必要とされて売れるものを作りましょう。

ものづくりは楽しい。
ものを作るのは楽しいです。試行錯誤しながら、形になっていく工程はとても楽しいです。

それは売れるのか。
売れるものを作るというのは、作りたいものを作るのとは違います。ピンポイントにニーズを設定して、その人達が使うシーンを想像して、売れる頃合い良いものを作ります。

6割の市場では、ずば抜けて良い物が売れるわけではない
中間層では、頃合いよい、値ごろ感ある、使い勝手よいものが売れるのです。
品質は当然求められますが、品質と、それを使う目的と、使い勝手の頃合い良さが寛容。


他所がやっているものを真似しても勝ち目はない
2番手に勝ち目はない。
しかし、同じようなものでも、ピンポイントの狙い目が違い、商品もその視点から見れば違えば、勝ち目はあるはずです。

これを使う人は誰なのか
ぼんやり、こんな人、ではなく、3人でいいから具体的にこの商品を使う人がどうやって使うのか、顔が浮かんで使っているところが浮かぶくらいの詳細マーケティングをすること。

その人はどこで買い物するのか
その人が買い物するところにそっと販売していること。

置いたら、PRへ
おいてあることを、丁寧に伝えること。

売れ始めるまでのリードタイムを耐える
販売開始から売れ始めるまでには時間がかかる。その間、売れると信じて説明を続けること。


2015年3月7日土曜日

現場の雑談と無駄の価値

現在弊社は小さいながら10人+αのスタッフで現場を2箇所運営しています。家庭を持つ女性が多いので、時間外に持ち越さないことを徹底しています。会議も基本ありません。

そう、16時までの勤務なら、16時になったら終わって5分後には「おつかれさまでした!」と現場を出られるようにしています。そのかわり、必死で働きます。必死ですが、だらけた時間も大事だと思った話です。

雑談と無駄で価値観をすり合わせる
お客さまが引けた時、バックヤードで作業中、おしゃべりを良くしています。はんこを押しながらおしゃべり、箱をたたみながらおしゃべり。手を止めて、モップを持っておしゃべり。
これは生産効率から考えるとかなりの無駄です。
しかし、コレがないとダメなのです。この雑談で個人の意見や考え方を共有したり、修正したりしながら現場の方向性を整えています。

無駄に見えるけれど効率化された共有スキームかもしれない、雑談と無駄。
ピアでは会議もしません。みんなに特別な時間をつくってすり合わせることもしません。それらは数分の合間の雑談と無駄の間に、会話の中ですりあわせています。
これがとても効率的です。現場で感じたことは、9割方は小さなチップです。少しの時間が過ぎると、忘れてしまいます。また同じようなことを感じたときに、ああまたか、と思いながら回数を重ねて新鮮さがなくなっていきます。
この小さなチップを感じたときに、雑談でそれを話せば、その解釈や活用方法などを共有できます。その雑談に答えるような形で、「その時は、私達は~」と自社の考え方や具体的対応方法、どこまでやるのか、などの暗黙知ルールを共有しています。
マニュアルを作り、トレーニングするのも一つですが、このように数分の無駄の時間に価値を感じて肯定すれば、改めての会議は不要です。現場では、作業をしながら雑談するために、わざわざ単純作業を作っている時もあります。

現場を豊かにするのは人、だから信頼関係と共有情報を作る
同じコミュニティに居ると、話し方や考え方は影響し合います。雑談は、それを育みます。仕事はきちんと、プラスアルファの仕事をしながら、コミュニティを育てる。時間が限られた中でシフトで働くスタッフたちが同じ方向を向くために、現場の無駄と雑談はある程度必要です。

現場で大事なことは、楽しいこと
現場でお客さまから感謝されて、自分の工夫を思いついて手を出せるように、そこに在る自分に自信が持てること。その工夫が現場全体の方向性と合致していて、さらに現場が良くなり、認められること。これが現場の楽しさです。

現場を作るのは、人です。
大事なだらけた時間を共有したいなと思いました。

2015年3月2日月曜日

補助金のために事業をするのはやめよう(創業期のお話)


創業時期にお金は必要です。自分の生活費もお金、事業の仕入もお金。
でも、もっと大事なことは、このお金を稼いでいく技術です。

補助金には自己負担分があります
そして、自由に使える現金をくれるわけではありません。
2/3補助の補助金を例に考えてみましょう。
簡単にいうと、300万円使うなら200万円あげますよ、ということです。
200万円もくれるの!?魅力的に見えます。
でも、よく考えるべきことは、300万円つぎ込んで回収できる事業なのかどうか。

自己資金を300万円使って事業をして、終了後200万円補助金をもらい、100万円は自己負担です。考え方によっては300万円分の仕事をすると100万円現金が残るとも考えられますが、そうはいかないように仕組みはできています。

300万円分の商品・サービスを買わないと200万円はもらえない
200万円を市場に流すために、自分の手間賃で100万円貰う?
補助金実施団体の代わりに300万円分市場にお金を流す仕事、と考えてみましょう。
流す過程で自分の事業を有利に進めることができれば、その後何倍も稼げるでしょう。なにもなければ、それで終わり。
自分の商売に稼ぐ力があるかどうか、それがあれば、補助金も生きます。

創業時期の補助金は魅力的、でもそのために経験値を奪うかも
創業時期は自分の商売の何が売れるものなのか、体験知が圧倒的に少ないものです。その時期に大きな金額を投資する補助金事業は、小さくトライする時間を奪うかもしれません。また、本当はまだ大きく投資するほど固まっていない事業を無理に大きくみせることで顧客をがっかりさせ、ライバルに手の内を明かし、結果として自分の事業を貶めることになります。

創業期、お金を稼いでいく技術は不明確です
顧客ニーズや売れるものが想定と違うのは当然です。
売れないのも当然。たとえ前職でその仕事をしていたとしても、創業して立場が変われば、あなたのサービス/モノは相手にとって新しいものになるはずです。そうでなければ、あなたに乗り換える意味は薄い。

お金があれば成功するわけではない。
お金も必要ですが、もし300万円必要で、本当に投資して回収できる事業ならば、きっと金融機関がお金を貸してくれます。本気なら、融資窓口に相談してみてください。紐付きのお金より、使い勝手よくあなたの事業を加速させるかもしれません。

自分の経験値を積みながら日銭を稼いでいく時期を最短で駆け抜けるために、創業時期は朝令暮改で姿を変えていくべきです。アメーバのように、相手の使いやすい形に自分の仕事の仕方を変えながら、顧客ニーズに自分サイズで応えられるようにフレキシブルな体勢で臨むほうが、3年後を考えると有利だと思います。







2015年2月19日木曜日

はましんチャレンジゲート審査員、終了しました

浜松市の信用金庫、はましん(浜松信用金庫)が行うビジネスプランコンテスト「第2回はましんチャレンジゲート」の審査員をさせていただきました。10組ほどの個性あふれるビジネスプランを聞き、評価も忘れて熱く考え込んでしまいました。

立ち上げ時期の創業部門と、すでに事業化している(もしくは第2創業)新事業・新技術開発部門の2部門に合計10社がチャレンジしています。はましんの錚々たるメンバーの末席に加えていただき、地域のチャレンジ最前線を見てきました。

創業内容には地域性がある。創業プランものづくり系が強い浜松市。
浜松市はものづくりの街です。
ホンダ、スズキの自動車会社本社があり、ヤマハがあり、ホトニクスもあります。BtoBではかなり有名な企業の本社工場やOEM工場もあります。

浜松市のHPによると、人口約80万人のうち生産人口が42万人、うち15万6千人が製造業である二次産業に就いています。全国平均では第二次産業人口は26%のところ、浜松市は37%。一次産業就業率は全国とほぼ同じですから、堅実にものづくりを行う人口が50%近くいる、売るものを持っている基礎体力のある市と考えられます。

【産業別就業人口割合の全国比較(平成17年)】


二次産業の分布について出荷高ベースで見てみると、輸送機関連の製造業が46%、その他電気・金属・プラスチックまで入れた機械系製造業はじつに75%を占めます。

【主要業種別製造品出荷額割合(平成19年)】












さらに興味深いことに、拠点流出で市内の就業人数は減少しているが出荷額は増加しているそうです。

"本市は、「ものづくり都市」として工業が都市活力を支えてきました。近年、製造品出荷額は増加傾向にありますが、工場の市外移転や廃業の進行によって、事業所数及び従業者数は減少傾向にあります。なお、製造品出荷額の約46%を輸送用機械器具製造業が占めており、本市の工業を代表する分野となっています。( 浜松市都市計画マスタープラン > 浜松市都市計画マスタープラン 目次 > 第1章 現状と課題(浜松市の現状)より)" 
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/toshikei/city/tosike/masterplan/masterplan/1-2.html

つまり、浜松市の産業構造はものづくり(二次産業)割合が高く、就業人数は減っているが産業自体は成長しているところもあり、出荷額は増えてきている、ということです。浜松市の人口は一時85万人に届くかとも思われましたが、現在全国平均と同じく人口は減少し80万人を切りそうになっています。母数も減れば、就業人数も減るのは自然なことです。

出荷高の増加については詳しいデータを確認していませんので理由を述べられませんが、利益を出しているところもある、ということは言えると思います。

ものづくり+α、下請けからの脱却
就業人口比で見ると、二次産業は減り三次産業が増えています。

平成12年と平成17年を比較してみると、就業人口全体で約4千人増えています。
二次産業は1万1千人減。そのかわり三次産業が1万4千人増えています。
(一次産業も2千人くらい減っています)

やはり三次産業就業率は順調に増えています。人口の伸び率よりも三次産業就業率が少し高いのは、現場のものづくりから、それを外に伝えて売って稼いでいく三次産業の人が増えたことも関係していると思われます。

【産業別就業人口の推移】


製造現場(二次産業現場)を持つサービス業(三次産業)、これは浜松市の強み
ものづくり現場には、ものづくり現場の理由があります。製造業の人は頑固な人も多いです。これは事実。でも、まげられないものがあるからこそ、浜松の製造現場から正しいものが安定して生み出されていく、というのも事実です。

この現場を持つ人達が、サービス業部門を創業してマーケットにつなげることができるのは、現場を持つ浜松市のものづくり産業の強さです。ここ、ものづくりを持っているこの地域の強さです。

外貨を稼げる二次産業+アルファの可能性
はましんチャレンジゲートのプレゼンを聞いて、この地域の創業にある地域性を感じました。ものづくり現場を持つこの地域の強みを活かした創業プランは、どれも中の人だからこそわかる、既存事業を活かした斜め展開の活気にあふれていました。

親企業の海外流出は、危機でした。リーマン・ショックも危機で、その影響はまだ残っています。そして今、それを生き抜いた今ある企業は、これからの10年を考える局面にいます。今、まだチャレンジできる体力と現場技術が残っている。これは、大きなチャンスです。ビジネスプランコンテストに出てくる活気ある10社のプレゼンを聞き、浜松市の地域性とチャンスの可能性を感じました。

日本の製造業の生き残り方は、まだまだ答えがありません。でも、少しずつ前に進んでいます。


2015年2月5日木曜日

右腕を育てるつもりが、いつのまにか自分が左腕

起業家を育てるプロジェクトは長いことありますが、近年その起業家を支える右腕を育てるプロジェクトも認知されてきました。

簡単に言うと、起業家一人でやるよりも、それを冷静に支える右腕が居ると事業の加速度が増すので、その右腕を育てることも大事ですから育てましょう、という事業です。


一人の限界、右腕の価値
たしかに、一人の限界があります。
24時間365日しかないし、現場をやって次の展開を考えて、今の事業を評価して顧客ニーズに本当にあっているのかを評価して、改善して、トライして、さらに資金調達や、対外的に事業の価値を伝える仕事までやるのは大変です。

一人では偏ることもあります。
起業家は思いが強いので、自分が思うことと社会が思うことが違うことも多々あります。
特にマーケットとなる顧客ニーズへの応え方は、多様性が必要ですが、現場で必死だと一つの視点しか見えなくなる可能性があります。

ここで、事業の目的や価値を理解して、一緒に推進してくれる人、すなわち右腕がいたら、それは加速度が増しそうです。

右腕に説明できるか、養えるか。
自分自身がゼロからイチに事業を立ち上げてきて思うことは、顧客ニーズに合致してお金をいただける事業になるまでの自分の中にも仮説しかない時期、そこから一対一で顧客のニーズを自分の現場力だけで解決している時期、この時期に右腕となる人に事業のなりたちやゴールを説明するのは至極困難ということです。

特に、現場感やニュアンスなどの言語化すると一般論になりそうなこと、暗黙知とよばれる部分を丁寧に言語化することが難しく、伝わらないのです。伝え方は相手の個性によって異なりますので、何人も説明しながら言語化し、現場で一緒に見せて、一緒に経験して、一緒に育ててもらいました。簡単な冊子や言葉では伝わらないことが現場のちからです。それは伝えるというよりも、一緒に体験しながら一緒に構築していくものでした。

これは、ピアの右腕たちの能力が低いのではなく、私の中に表現するほど固まっていなかったことと、伝わる表現方法が出来上がっていなかったことが原因です。

もう一つ、この時期にきちんと右腕候補を養えるか、という問題があります。育てる時期は自分が3倍働いて右腕さんたちの分まで稼いでいかねばなりません。そして、事業が成熟しておらず、稼ぐ現場ができてないと、右腕に買ってもらえる現場を説明できません。


自分が左腕になっていた
今、ピアは10人前後のスタッフで事業を展開しています。全員いつのまにか自立した右腕で、私は左腕です。みんなの現場仕事を支える左腕です。

みんなが考えて、判断して、お客さまに買っていただけるモノとサービスを工夫して展開すること、また次のモノとサービス展開について提言してくれること。スタッフ全員の毎日の快適な現場仕事のために、今は左腕仕事。左腕をしながら、現場改革を考えています。

2015年1月14日水曜日

営業マンという仕事から、ニーズに合わせた提案を考える。

店頭で店番をしていると、いろんな営業担当が売り込みに来てくれます。こちらから情報を取りに行くのには限界があるので、営業マンさんの提案はありがたいものです。
売店も美容室も小売卸も、全て基本的にお客さまのニーズに合わせて、こんなものが欲しいというもやっとしたイメージは持っています。それにあった商品を作る場合は社内で勝手にやれますが、仕入れる場合は営業マンさんのちからを借りています。お店の現場で、現場を見てもらって、私達の客層解釈を伝えて、その上で必要な商品イメージを伝えます。そこから先、良い製品に出会えるかどうかは、営業マンさんの個性と提案力次第です。

買い手は要求要素のイメージを持っているが、具体的なパッケージは持たない
弊社が欲しいのは、お客さまがすぅっと受け入れてくれるような商品です。驚きや感動のものもありますが、私達は原則「超日用品」を目指しているので自然すぎて霞んでしまうくらいの商品を求めています。これは、結構難しい要求です。私自身も営業や渉外担当なので、自分がお願いしている情報はどのくらい難しいのかよくわかっています。

できる営業マンは製品要素を立体視している
取引先の中には、とても印象的な提案をしてくれる営業マンさんがいます。
商品はもちろんなのですが、製品の要素をよく理解していて、推す部分を提案先によって組み替えてきます。おなじものでも、見る方向は360度プラス立体上下から見ており、どの角度が私達のリクエストに合うのかを端的に教えてくれます。

最終顧客のツボを読む力
営業マンさんと私達小売仕入は、その商品を買って使う消費者が、どのようにその製品を使うのか、またその時どんなニーズを満たしているのか。それについて具体的に想像しています。そうしないと、お客さまの困っているところに丁寧で役立つ提案ができないからです。これは、製品を中心に考えると、その製品のどこがツボなのかをよく捉えているということになります。使うシーンを具体的に想像して、1ユーザー単位で、一事例ずつ、想像しています。買って、その後どう使うのかを具体的に想像しているのです。

技術は人の生活をハッピーにするために
私は恩師からテクノロジーの役割について、人の生活を豊かにするために使うものであると教わりました。本当に豊かになるかどうかを相手の立場に立ち、使うシーンを想像し、コア技術はできるだけシンプルにする。使って、使い続けて、使うことが苦にならないような技術で人をハッピーにすることが、技術のあるべき姿である。これは、作り手として、最終顧客のツボを読んで物を作れ、という話です。

ニーズに合わせて提案し、解決していく「提案力」を磨こう
ユーザーはぼんやりとした希望や、本人さえも気づいていないような不便をもっています。それを推測し、仮説を立てて提案し、ユーザーの顔がパッと明るくなるようなツボを見つけ、それを具体的に解決する力が「提案力」です。相手を慮り、共感し、想像して、近づいていく。とても人間らしい関係性の上になりたつ力です。人に会い、話して、時には怒られたり、人間関係の中で提案力は磨かれます。自分が提案力を上げて役に立つことができれば、お客さまの現場を改善することができます。恐れずに、どんどん提案をしにきてください。
小売のお店を良くするために、営業マンさんの提案力が必要です。