2019年3月31日日曜日

人型ロボットが許せる日本人で良かった ドイツ哲学のガブちゃん、おすすめ本

世界は存在しない、から始まるマルクス・ガブリエルさんの本を読みました。

彼はドイツ系の哲学者で、私には言っていることが謎すぎなのですが、丸山俊一さんのナイス解説で読みやすくなっています。

この中で、なぜ日本人は人型ロボットを受け入れられるのか、という話題がでてきます。
ペッパーくんとか、ドラちゃんとか、安川くんとか、人を想像させるアレです。

ちなみに安川くんとは、産業用ロボットの安川電機が誇る、非産業用のソフトクリームを巻くロボット安川くん。本気の産業の本気の遊び。萌える。

ドイツでは、アンドロイドロボットは概念的に受け入れられないそうです。
これは第二次大戦中のガス室での大量虐殺で行われた大量虐殺を起こした経験から、人であることを強く考える哲学があるから。人である、とはなにか。非人間ということが、即ち虐殺につながる。だから人間に近いもの、非人間なのに人間に近いもの、という不思議なものが不気味に映るそうです。

ということは、安川くんやペッパーくんを作り活用していく日本人は、ドイツ人とは違う産業を作り出して行くわけですよね。産業と哲学、面白い。

ハウツーとか、何歳までにすべきみたいなノウハウ本にはない、問いと仮説の脳みそを揺さぶられる本でした。しかもその問と仮説が自分の浅はかさを突いてくる。



内容は、見えるものや見えないものや、判断の横串の位置を変えてみるような話。私では説明できないので読んでみてください。私は、結局2回読んで本はボロです。少し経ったら、もう一回読みたい!


2019年3月30日土曜日

昭和と平成で気づいたこと ぼくらが旅に出る理由(オザケン)を理解したり、人類は大して進化しないけど相変わらず愛おしいと思うこと。

平成が終わるので、いろいろ考えていたら、ぼくらが旅に出る理由に行き着きました。渋谷系がわかる世代には懐かしそうな話なので、ここに描いておきます。

私の年代背景は、バブル経済の終焉近い昭和天皇崩御は小6。平成1年に中学1年生。

昭和から平成に変わる頃、同時期に父親が死にかけたのですが、バリキャリだった母は「別にお父さんが死んでもあなたは私立に行けばいい」という強い言葉を小6の私に投げかけてくれて、私立中学に進学。これが平成最初の記憶。

進学したのは中高一貫校の女子校で、とてもゆっくりした学校。定型発達からほど遠い私はエネルギーを潰されずにのんびり過ごしました。当時の先生、本当にごめんなさい。おかげでちゃんと大人で社会人になれました。その後、中学3年位にバブル崩壊。

高校生になって、ミスチルや渋谷系の時代。オザケンの、世界の持続可能性に絶望しながらも、人類はその営みをつづけていくという安定感ある感性にどっぷりハマる。あと、日本文学に萌える。完全にこじらせる高校時代。全く勉強しない。村上春樹の世代でもあります。

完全に拗らせる世代の真ん中で、たいして出来も良くない自分はこれからどうやって社会で生きるのだろうと無駄に悩む。もう勝ち負けの社会ではないし、持続可能性を考える時代に、自分はバカすぎると絶望する。周りが全員天才に見えました。だって苦手な古文なんて見るだけでゲシュタルト崩壊して、なんのことかさっぱりわからないのに、周りは変な記号を付けて読解していく。もうだめだ自分と思ってました。バカすぎる思春期に渋谷系と日本文学にハマると、浪人する。

平成8年5月、浪人してその後に発表された小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」。
当時は純粋に人生はよくわからないところに向かう旅なのかな、と思っていた気がします。

今になると、旅とは頭で想像できるけれど、実際には観たことのないものをちゃんと体験に行くこと。そして、そこに不確定要素があることを理解し、そのエネルギーを知る。とても強いものだと知りました。それを見ることで自分自身も変化するし、変化したら世界の感じ方も変わる。旅とは物理的な位置移動もあるし、日常の見えているルートと違う人生を体験しにいくことでもある(つまり違う世界に飛び込むとか)。

平成を30年くらい過ごして気づいたことは、旅をしないと外部環境の変化に気づけ無いということです。いつも同じ心地よい世界にいると、気づいたら周辺環境は変わっている。書を捨てたびに出よ、とか、ぼくらが旅に出る理由とか、ゲーテのファウストとか、いつの時代も同じことを言っているな、と。

外部環境の変化が早くなっても、人間のタンパク質量は大して変わらないし、多分腸内細菌の数も変わってないと思う。人体単体では、変化なし。でも人間には適応能力と、新しいことを作る力がある。平成が30年間過ぎて、テクノロジーも流通もファッションも変わったけど、多分人間の嬉しいことと必要とすることは、そんなに変わっていないと思う。

人に肩をポンってされてニッコリされたり、一緒にごはんを食べて笑ったりすることは、同じように価値があると思う。がんになって落ち込んでいるときに、それを素早く共感し、ニーズを分解して、具体策を投げることの価値も変わっていない。具体策の内容が若干スマートになった程度。

次の元号の数十年も、新しい旅ですね。絶望せず、具体策を探し、それを実現する。人間はそうして新しい世界を作り愛して行くのだなと。


2019年3月29日金曜日

専門職は 意外と自由な気がする 職域と固定概念

調剤薬局の薬剤師さんと会話する日でした。

がん治療とか、長くコントロールする高血圧などの慢性疾患薬、副作用を見ながら使うような薬は、特に薬剤師さんの気付きが必要です。だって、クスリと副作用の話の専門家だから。

話を拾うって、よい問いかけと、共にありますよの安定感ある共感性が必要です。

そういうところを煮詰めていくと、専門職ならではの副サービスが生み出せます。だって、抜群に信頼している専門職の人の説明と支援、信頼感抜群です。

本当に必要なことを提案できるのが専門職の強み。必要も、不必要も、根拠を持っている。専門職の職域は、実はもっと広い。富士山の裾野の広がりくらい、広いと思う。

それはうちの仕事じゃないよね、という厳格な線引きは、もう成立しない。

2019年3月25日月曜日

高校生の”探求”という授業に仕掛けております イノベーターな高校の先生たちと来年度からの地域連携を語る夜

NPO法人しずおか共育ネットの理事をしています。高校生のキャリア教育と地域との学びをデザインするNPOです。

理事長の井上とは5年くらいの仲で、起業塾の後輩でもあります。面白いね、と言ったら最後、理事になってしまいました。本気の人たちが大真面目に楽しいことをやっています。

先日、しずおか共育ネットが行った静岡県高校生サミットにて静岡高校の校長先生と盛り上がり、さらに他の高校の先生達も乱入し、大学で地域創造を教える先生も来てくれて、豪華な勉強会になりました。



ゲストのキーノートにワクワクする大人10名。
大人も真剣に学んで、その学びを次世代に還元するために勉強の日々。



https://senseiportal.com/events/50377
静岡県高校生サミット。高校生が一年間の探求の授業成果を発表しました。私はコメンテータをさせてもらいました。2019年度も楽しみです。

ヒト・モノ・カネが満遍なくない ベンチャーはチャレンジしかなくて面白いよ

最近よく言っているのですが、ピアにはヒト・モノ・カネが満遍なくありません。えっへんと威張ることではないのですが(解消できるものならしたい)、ずっとそんな感じです。

人は慢性的に足りません。でも、なんとかやってくれるチーム力です。ものは、なんか工夫していて、すごい手作りキットが生まれたりします。びっくりします。お金は、金融機関に助けられたりしています。ある意味、安定感すごい。

先日も新規事業について、アドバイザーの方とお話しながら自信満々に「ヒト・モノ・カネ満遍なく無くて、しかも社長が私という弱小企業ですが、お客さまの信頼度とそれに対する解決能力だけは絶対自信があります。」といい切ったところ、まともな大人の先方は一瞬困っていました。そうか、これは自信満々に言うことではなかったか、とそこで知る。

しかししょうがないんですよ、本当にないんですよ。
計画的ですが、結構なスピード感でどんどん進めますよね、どんどん進むんですよ。でも、ヒト・モノ・カネは満遍なく無くて、最後は社内の創意工夫と気合根性に助けられます。ときには、お客さまにまで「大丈夫だよ」と支えられる始末です。

会社は完全なサプライヤーではなく、地域インフラと考えてみたら、ともに育って行けるのはすごくいいことです。お客さまに来ていただいて、教えていただいて、もちろんそのリクエストに答えて、そして育ててもらう。ヒト・モノ・カネが無くても、結構面白い。


今は2019年6月発行のカタログのゲラを作成中。企画運営実行まで、何でもします。

2019年3月24日日曜日

脱毛症女子のランチ会を脱毛症女子と実施 社内が自発的にやる取り組みは成功率が高い

ピアは脱毛を経験する人のための専門美容室です。

抗がん剤治療、けが、やけど、放射線治療、脱毛症、更年期障害など、理由はいろいろありますが、髪が抜ける時期を過ごす人たちがその時期を上手に過ごすことができるようにサポートする支援を整えています。ウィッグや帽子も作れるし、相談もできるし、生えてきた髪の毛もきれいに整えます。

脱毛する時期を過ごすというのは、人生の一大事件です。でも、なんとかしようと思えばなんとかなるさ、だから一緒に考えるし、作るし、やります!というスタンスです。

ウィッグや帽子という具体的なモノはもちろん大事ですが、その時期の気持ちも大事。ある程度元気になって、他の人と繋がりたくなった方たちと、こんな会を開催しました。

患者会ではなくて、脱毛症でウイッグを使っている人の会。
患者とタグ付けすると、患者になっちゃう。彼女たちは、ウイッグを使っている人。


脱毛症女子のランチ会、めっちゃ盛り上がる。

これを企画したのは、専門美容室ピアの店長柴田と、お客さまのTさん。
2人でやりたいねって話をして、企画して、実行していました。私はノータッチ。
当日のお話は、公式ブログに柴田が記事アップしておりますので、ご覧ください。
専門美容室ピアはままつ 公式ブログ: しっかり繋がり前進↑↑↑(^^):

こうして社内が自由に目の前のことを拾って形にしていくフェーズか、と嬉しい嬉しい。
同じゴールを見て、いろんなアプローチができる人材に恵まれていることは、本当にありがたいことで、自慢したくなったのでここに書いておきます。

■見学について
ピアは専門職の見学を受け入れています。
美容師・理容師・医療関係者・患者支援関連団体の方などです。
ご希望の方は、このブログにお問い合わせフォームからご連絡ください。



北九州市の市政概要がかっこいい!

北九州市の市政概要を頂きました。


メーテルと鉄郎。



銀河鉄道999の出発地点


メーテルも住みたいまち、北九州市。


真面目なことを楽しく若干不真面目に伝える頃合いがかっこいい。真面目にやっているのは当然で、それをどれだけ楽しいことに昇華できるのか。ピアもそうありたいと思っております。

がんとか、病気周辺の話は、真剣さとまじめさの区別がつきにくくなっている。本人たちは、病気と生きる日常を精一杯ですから、ちょっと息が詰まるようなことは減らしたいなと。

2019年3月22日金曜日

創業期に足元を見失うと、本当にしんどいです。そこを支えるのも創業支援。

定期的に富士市産業支援センターエフビズのビジネスアドバイザーとして相談員をしています。主に創業するぞのスタートダッシュから、創業3年以内くらいの時期のリーダーとマンツーマンで1時間、数字に落とすとか、もっとその前の段階のモヤッとしたことを分解して整理して、方針を決める1時間。

話を聞いていると、もやっとしていることはいくつかに分けられます。

まず、具体的に専門家支援があったほうがいいこと。例えば数字とか、チラシとか、税務とか。これはもうタスクの話なので、やればいいだけ。専門家もたくさんいます。

次に自信の話。これは、やるしかない(笑)。最後に頼りになるのは、まあなんとかなるさの自分の心の中の強さ。それは経験からくるもの。自転車に乗るようなもので、一度乗れた経験があれば、次回なんとなくゆらゆらしても、乗れる気がするから頑張れる。

あと、多いのは、大きなものを見すぎな話。
資格がないから、とか。どこに営業に行っていいかわからない、とか。
自分の目の前のお客さま一人ひとりに応えられないうちは、大きなもやっとしたマーケットに営業はできません。だって、相手も、この人はなにをどのくらい具体的にできるのか、よくわからないですから。

具体的な専門家支援の部分には沢山支援があるのに、自信とか、はじめの一歩に悩むとか、スタートアップにありがちな足元が見えなくなる話には、ちゃんと応えられるところは少ないのでしょうか。

仕事がばんばんきて、やべえ寝られない、となるくらいのスタートアップはいいのですが、そんなことはほぼないです。仕事になるまで、方針が見えてくるまで、そこをともに乗り切るのがスタートアップ支援の役割の一つ。

富士市産業支援センターエフビズ、マスコットのアイボ富士男もさくらの眉毛をつけてお出迎え。一年たってもあまりおりこうになった感じがしない愛くるしいやつ。

2019年3月20日水曜日

春ですね 若者のみなさんへ

試験に合格したり、落ちたり、希望の進路に進んだり、そうでもなかったり、環境の変わる春ですね。人事発表もそろそろあり、新しい毎日へエネルギーを使うシーズンです。

この時期は、不安定な気持ちになりやすいですね。いつもならそだねーって流せることも、とても気になってしまったり、受け取り方が少し歪んだり、それによって自分自身が辛くなってしまうことも、ありますよね。

私は社会人になって約20年経ち、仕事も住むところも周りの人たちも変わりました。振り返ると、昔はものすごくナイーブに受け止めていて、いろんなことに神経が立っていて、とても大変だったような気がします。気がします、というのは、もう殆ど忘れてしまったからです。

辛いことも、だいたい忘れられるのが、人間のいいところですよね。
今つらいことも、多分そのうち笑い話になりますよ。最終的には、息をして生きていたら、だいたい大丈夫です。

20年くらい社会人をやって、今は小さなベンチャーの社長をしていますが、全くしっかり出来ません。今日は今から出張なのに、コートを昨日会社に脱いで忘れてきてしまったため困っております。それでも、まあ、だいたい大丈夫です。

死にたい気持ちになっても、とりあえず今日一日をなんとかやり過ごしてください。
そして、また明日になったら、明日のことを考えてください。
もちろん、それは難しいことですね。でも、本当に辛いときは、そのくらいの気持ちでやりきってください。今は続かないし、自分も変わるし、周りの人も、社会も、環境もかわります。とりあえず、死なないこと。



花が綺麗だと思えて、ご飯を食べて寝られているうちは大丈夫。
それがしんどくなったら、心療内科もありですよ。

2019年3月11日月曜日

理事会と予算報告 新しい仕事の匂いが。

社会福祉法人の理事を拝命しておりまして、この時期来年度の予算と事業計画書についての理事会が行われます。

この計画書をどうやって活かしていくのかな、を考えてみると、そのデザインができる人は実は少ないのではないか、という気がしてまいりました。

その仕事もやっちゃう?とふと思いました。
世の中は仕事のネタで溢れていますね、現場にはネタ満載!


2019年3月3日日曜日

TEDxHamamatsu ’人を幸せにするものづくり’

TEDxHamamatsu2016で、社会的事業におけるものづくりについて、人を幸せにするものづくりの可能性をスピーチしました。Youthbeで公開されておりますので、ぜひご覧ください!英訳が美しい。

TEDxHamamatsuスタッフの皆様、ありがとうございました!