2015年11月14日土曜日

みかん農家さんが考える、TPPとオレンジとみかんの話が面白い

「だいたい、オレンジジュースとみかんは違うよ」

みかん農家の友人が何気なくいったこの一言で、農業へのTPP影響論議に私が感じていた気持ち悪さの原因が一つわかりました。

そうですよ、オレンジ色で果汁系ですが、ぜんぜん違うよね。
みかんジュースと皮を剥くみかんが満たしている顧客ニーズは違います。
和名みかん、英語名オレンジ、として同じ種類で、生産量をひとまとめにして生産総量を評価することはできますが、剥いて食べるみかん・絞るオレンジ・切って食べるオレンジ・といった質的違いは数字評価が難しい。

TPPtrans pacific partnership)への参加で日本の農業がどう変わるのか、その影響度についての新聞記事は影響度について「影響あり」「限定的に影響あり」「影響は殆ど無い」といった、評価しやすい量的な記載でした。

量的評価は、1-2-3-4-5といった数字でも表せる指標です。
少ない/多い
小さい/大きい

量的評価(みかん系の流通量など、数字で計れる)で語られがちなTPP参加影響ですが、これに質的評価(品種や味、地域の嗜好、マーケット特性、特定マーケット向けの商品とか、とにかく数字で測りにくいもの)を加味してくれないから、消費者としては気持ち悪い感じがしていたのだ、と気づいたのです。さすがみかん農家、みかんと周辺領域のことをよくわかっておられる。

質的評価については数字に表せないので、評価軸を作る人の感性でパターンは無限大になるのです。このパターン出しはセンスを問われます。TPP影響話をするときは、流通量とマーケットカテゴリーの話になるので、売れるものを作れるマーケターのセンスある人に指標を作ってもらいたいです。これはあくまで個人的願望ですが。

質的評価には、産地の違い、さらにその産地内の農家さんが狙うマーケットの違い、販路による違いもあります。直接、市場(仲買人)に出しているのか、JAか、直売か、によっても作る作物品質が違うはずです。それを全部まとめて「かぼちゃ」「なす」「茶葉」など、品種ごとの全体影響を計るのは腑に落ちず、私はコレがとても不思議でした。

モノづくりの大原則の、どのマーケット向け商品かが語られず、種類のみで語られている。おかしい。

それに対する支援策や強化策も、「コメ」「ジャガイモ」「肉」という、種類のみで語られていますが、
本当は種類と品質(マーケットランク)でわけてあげたほうがリアルな市場に近づくはずです。

☆このようなイメージ

種類 |コメ|ジャガイモ|肉   ←量(種類)の横枠
品質上|  |      |    
品質中|  |      |    
品質下|  |      |    
↑質の縦枠





もちろん、本当はそこまで精査されて制度論議されている(と信じたい)はずですが、新聞などの情報しか見ていなかった私には、とにかく気持ち悪かったのです。
議論に質の軸が無いから気持ち悪かったのかと気づいて、ちょっとすっきりしました。

結論、みかんはオレンジとは違う。

(ちなみに、影響のある野菜についても話しました。それはそれですごく納得しました)