2018年11月19日月曜日

スタートアップを支援する人たちは、日銭と食い扶持のことも考えてよ。

事業をゼロから作ると、商品サービスが売れるようになるまで収入ゼロなのに経費がかかる、という期間を体験します。それは、もう、恐ろしい時期でして。

私も創業者ですが、20代でバイトしていて学生で、とにかく大変だけど気持ちの拠り所と現実的に学校と実習先があったのが救いで、へこたれずに邁進できていたような気がする、しかし忙しすぎていろいろ覚えてない。

現実感がある社会との繋がりもあって、お金もバイト代がありなんとかなっていたし。自分のやっていること(商品サービス)に自信を失うこともなかった。だって、毎日患者さんはそこに居て、大変リアリティのある毎日だったから。とはいえ、売れないというのは、本当に恐ろしいことなのだ。

売上が上がらない。これは、お客さま候補の皆さんにスルーされているということ。即ち自分の作っている商品サービスが誰の目にも留まらず、そのまま流されて、届かなくて、役に立たないということ。そして、売上もたたない。

恐ろしい!

時給900円は、何をしたら900円かルールが有る。
そこに1時間いて、指定のシゴトをしたら900円。
しかし、創業者にはその「指定のシゴト」がない。何が900円なのか、その設定がない。
無いところから900円の価値を作る。めっちゃ恐ろしい。何が900円かわからない。でも、絶対これは役に立つはずと信じている。しかし、その900円の価値をわかってくれる人がどこにいるかもわからない。

論理的には、顧客分析してー、マーケしてー、予測たててー、販路営業してー、投資してー、とか、いろいろあるけど、そんなもんじゃない。とにかくそもそも、これが価値があるのか全くわからない。人に聞いても、そもそも世の中にそれがないから、的外れな回答がやってくる。そして、それが的外れかどうかすらわからない。それがリアル。

スタートアップ支援の支援側に回って10年くらい経ちますが、ここがわかっていない社会的立場のある偉い人が多くてびっくりです。いやー、僕にはわからないんだけど、と言いながら、すでに成立している企業の新規事業開発をする気持ちで話してくる。

いや、それは、100歩譲って許そう。
だってそっちの世界のプロだもんね、こっち(小さな創業)のプロじゃないもんね。

だけど、想像力持ちなさいよ。
あなた達が思いつきのように言う魔法ワード「ブランディング」「マーケティング」「伝える」ってさ、具体的に何をしたら、どのくらいの期間で、いくらくらい売上られるのか。それで、この人はご飯を食べられるようになるのか。

まずね、日銭でご飯を食べられるようになるのが第一段階。
なに売ったっていいですよ。松下幸之助が2口ソケットを売りまくって資金調達したのも、ブラザー工業の安井兄弟が水流の麦わら編み機を作ったのも、それでご飯を食べられる様になったわけですよ。そこから、ですよ。

日銭を稼げるってことは、商品が良くて、お客さまが見えていて、その人に売れるってこと。商品サービスが何なのか、どのポイントで他より優れるのか、それを誰が買ってくれて、自分たちは提供して、その人をハッピーにできるのか。これがわかること。

それもないのに、魔法ワード「ブランディング」「マーケティング」「伝える」を使ってきもちよくなっている人がいて、時々現場で熱弁ふるっていて、時々本気で悲しくなる。まず、マックでバイトしてこい、と。





ノザキのコンビーフくらい、商品がはっきりして値段もちゃんとついていたら、売り方は考えやすいですよ。

でもねーほとんどの起業家さんは、自分の商品を何にしたら、どのくらいの完成度にしたら、お客さまの欲しいを満たして、使って幸せになってもらえるのか、頃合いすらわからない。

 ノザキのコンビーフのTwitterは美味しさを伝えるだけでいいの。
こうなったら、もう商品は独り立ちしているの。ベンチャーはその手前を作っているの。
(つまり、価格と価値が未確定)

んで、売上が不安定なの。
(つまり、ユーザー層に届いていない)

支援チームにいる企業OBOGの方、起業家さんがちゃんとご飯を食べられるようにしてください。お願い。


はっきりしたら、このくらい楽しく遊び要素満点のPRも売上に貢献。