2015年3月7日土曜日

現場の雑談と無駄の価値

現在弊社は小さいながら10人+αのスタッフで現場を2箇所運営しています。家庭を持つ女性が多いので、時間外に持ち越さないことを徹底しています。会議も基本ありません。

そう、16時までの勤務なら、16時になったら終わって5分後には「おつかれさまでした!」と現場を出られるようにしています。そのかわり、必死で働きます。必死ですが、だらけた時間も大事だと思った話です。

雑談と無駄で価値観をすり合わせる
お客さまが引けた時、バックヤードで作業中、おしゃべりを良くしています。はんこを押しながらおしゃべり、箱をたたみながらおしゃべり。手を止めて、モップを持っておしゃべり。
これは生産効率から考えるとかなりの無駄です。
しかし、コレがないとダメなのです。この雑談で個人の意見や考え方を共有したり、修正したりしながら現場の方向性を整えています。

無駄に見えるけれど効率化された共有スキームかもしれない、雑談と無駄。
ピアでは会議もしません。みんなに特別な時間をつくってすり合わせることもしません。それらは数分の合間の雑談と無駄の間に、会話の中ですりあわせています。
これがとても効率的です。現場で感じたことは、9割方は小さなチップです。少しの時間が過ぎると、忘れてしまいます。また同じようなことを感じたときに、ああまたか、と思いながら回数を重ねて新鮮さがなくなっていきます。
この小さなチップを感じたときに、雑談でそれを話せば、その解釈や活用方法などを共有できます。その雑談に答えるような形で、「その時は、私達は~」と自社の考え方や具体的対応方法、どこまでやるのか、などの暗黙知ルールを共有しています。
マニュアルを作り、トレーニングするのも一つですが、このように数分の無駄の時間に価値を感じて肯定すれば、改めての会議は不要です。現場では、作業をしながら雑談するために、わざわざ単純作業を作っている時もあります。

現場を豊かにするのは人、だから信頼関係と共有情報を作る
同じコミュニティに居ると、話し方や考え方は影響し合います。雑談は、それを育みます。仕事はきちんと、プラスアルファの仕事をしながら、コミュニティを育てる。時間が限られた中でシフトで働くスタッフたちが同じ方向を向くために、現場の無駄と雑談はある程度必要です。

現場で大事なことは、楽しいこと
現場でお客さまから感謝されて、自分の工夫を思いついて手を出せるように、そこに在る自分に自信が持てること。その工夫が現場全体の方向性と合致していて、さらに現場が良くなり、認められること。これが現場の楽しさです。

現場を作るのは、人です。
大事なだらけた時間を共有したいなと思いました。