社会的事業の場合、課題全体を解決改善することを目的とするので、垂直立ち上げ×ヨコ展開で一気に解決モデルが理想の一つとされています。
今困っている人が局地的に減る(地域限定垂直立ち上げ)、これでまず成功事例を作る。その後、成功事例をヨコ展開する。そうすると各地で課題が解決される、という発想です。
ええ、うまくいきませんよ。
うまくいくわけない。
スターバックスも勝手に均一レベル展開できるわけじゃないでしょう。
現場のクオリティあげるのは、そこにいる個人なんですよ。
(あたりまえ)
最後は人だよね、といって人を育てだしたりします。
それも、うまくいかない。
だって、育ててもらおうと思う人ではイノベーティブなことをするまでに時間が掛かる。
それでは、現状打破の今ないソリューションは出てこない。
企業が人材をコントロールすると、失敗が減ります。
コンプライアンスを守って、失敗しにくくて、足を引っ張りにくい。
そのかわり、瞬発力あることする良い志をもつ不良はでてこない。
ヨコ展開をルールを守って失敗少なくやりたい。
でも、革新的なこともしてほしい。
革新的なことをする前に、会議にかけて稟議通してコンプライアンス順守してね。
そんなの、むりでしょう。
桁外れの競走馬を飼いたいけど、小さくて囲われた馬場で静かに過ごせ、と。
時々のレースの時だけ、オーナーの言うこと聞け、と。
むりむりむり。
成功事例のまねっこ移管がうまくいかない理由は、移管に乗ってきた人たちが成功事例に強く惹かれているからです。そのとき、顧客(ターゲットユーザー、困り事を抱える人、困っている真ん中の人)よりも、成功事例の方を向いている。
成功事例は、顧客のことばかり考えてちょっぴり型破りなことをしてきた結果です。
型破りしつつ、現場で顧客の反応を見つつ、社会の風向きを感じつつ、ぎりぎりのところをすり抜けてきているのです。
事例のまね事にお金を出すのはやめましょう。
その前に、顧客と膝を詰めて話してみませんか。