起業家を育てるプロジェクトは長いことありますが、近年その起業家を支える右腕を育てるプロジェクトも認知されてきました。
簡単に言うと、起業家一人でやるよりも、それを冷静に支える右腕が居ると事業の加速度が増すので、その右腕を育てることも大事ですから育てましょう、という事業です。
一人の限界、右腕の価値
たしかに、一人の限界があります。
24時間365日しかないし、現場をやって次の展開を考えて、今の事業を評価して顧客ニーズに本当にあっているのかを評価して、改善して、トライして、さらに資金調達や、対外的に事業の価値を伝える仕事までやるのは大変です。
一人では偏ることもあります。
起業家は思いが強いので、自分が思うことと社会が思うことが違うことも多々あります。
特にマーケットとなる顧客ニーズへの応え方は、多様性が必要ですが、現場で必死だと一つの視点しか見えなくなる可能性があります。
ここで、事業の目的や価値を理解して、一緒に推進してくれる人、すなわち右腕がいたら、それは加速度が増しそうです。
右腕に説明できるか、養えるか。
自分自身がゼロからイチに事業を立ち上げてきて思うことは、顧客ニーズに合致してお金をいただける事業になるまでの自分の中にも仮説しかない時期、そこから一対一で顧客のニーズを自分の現場力だけで解決している時期、この時期に右腕となる人に事業のなりたちやゴールを説明するのは至極困難ということです。
特に、現場感やニュアンスなどの言語化すると一般論になりそうなこと、暗黙知とよばれる部分を丁寧に言語化することが難しく、伝わらないのです。伝え方は相手の個性によって異なりますので、何人も説明しながら言語化し、現場で一緒に見せて、一緒に経験して、一緒に育ててもらいました。簡単な冊子や言葉では伝わらないことが現場のちからです。それは伝えるというよりも、一緒に体験しながら一緒に構築していくものでした。
これは、ピアの右腕たちの能力が低いのではなく、私の中に表現するほど固まっていなかったことと、伝わる表現方法が出来上がっていなかったことが原因です。
もう一つ、この時期にきちんと右腕候補を養えるか、という問題があります。育てる時期は自分が3倍働いて右腕さんたちの分まで稼いでいかねばなりません。そして、事業が成熟しておらず、稼ぐ現場ができてないと、右腕に買ってもらえる現場を説明できません。
自分が左腕になっていた
今、ピアは10人前後のスタッフで事業を展開しています。全員いつのまにか自立した右腕で、私は左腕です。みんなの現場仕事を支える左腕です。
みんなが考えて、判断して、お客さまに買っていただけるモノとサービスを工夫して展開すること、また次のモノとサービス展開について提言してくれること。スタッフ全員の毎日の快適な現場仕事のために、今は左腕仕事。左腕をしながら、現場改革を考えています。