店頭で店番をしていると、いろんな営業担当が売り込みに来てくれます。こちらから情報を取りに行くのには限界があるので、営業マンさんの提案はありがたいものです。
売店も美容室も小売卸も、全て基本的にお客さまのニーズに合わせて、こんなものが欲しいというもやっとしたイメージは持っています。それにあった商品を作る場合は社内で勝手にやれますが、仕入れる場合は営業マンさんのちからを借りています。お店の現場で、現場を見てもらって、私達の客層解釈を伝えて、その上で必要な商品イメージを伝えます。そこから先、良い製品に出会えるかどうかは、営業マンさんの個性と提案力次第です。
買い手は要求要素のイメージを持っているが、具体的なパッケージは持たない
弊社が欲しいのは、お客さまがすぅっと受け入れてくれるような商品です。驚きや感動のものもありますが、私達は原則「超日用品」を目指しているので自然すぎて霞んでしまうくらいの商品を求めています。これは、結構難しい要求です。私自身も営業や渉外担当なので、自分がお願いしている情報はどのくらい難しいのかよくわかっています。
できる営業マンは製品要素を立体視している
取引先の中には、とても印象的な提案をしてくれる営業マンさんがいます。
商品はもちろんなのですが、製品の要素をよく理解していて、推す部分を提案先によって組み替えてきます。おなじものでも、見る方向は360度プラス立体上下から見ており、どの角度が私達のリクエストに合うのかを端的に教えてくれます。
最終顧客のツボを読む力
営業マンさんと私達小売仕入は、その商品を買って使う消費者が、どのようにその製品を使うのか、またその時どんなニーズを満たしているのか。それについて具体的に想像しています。そうしないと、お客さまの困っているところに丁寧で役立つ提案ができないからです。これは、製品を中心に考えると、その製品のどこがツボなのかをよく捉えているということになります。使うシーンを具体的に想像して、1ユーザー単位で、一事例ずつ、想像しています。買って、その後どう使うのかを具体的に想像しているのです。
技術は人の生活をハッピーにするために
私は恩師からテクノロジーの役割について、人の生活を豊かにするために使うものであると教わりました。本当に豊かになるかどうかを相手の立場に立ち、使うシーンを想像し、コア技術はできるだけシンプルにする。使って、使い続けて、使うことが苦にならないような技術で人をハッピーにすることが、技術のあるべき姿である。これは、作り手として、最終顧客のツボを読んで物を作れ、という話です。
ニーズに合わせて提案し、解決していく「提案力」を磨こう
ユーザーはぼんやりとした希望や、本人さえも気づいていないような不便をもっています。それを推測し、仮説を立てて提案し、ユーザーの顔がパッと明るくなるようなツボを見つけ、それを具体的に解決する力が「提案力」です。相手を慮り、共感し、想像して、近づいていく。とても人間らしい関係性の上になりたつ力です。人に会い、話して、時には怒られたり、人間関係の中で提案力は磨かれます。自分が提案力を上げて役に立つことができれば、お客さまの現場を改善することができます。恐れずに、どんどん提案をしにきてください。
小売のお店を良くするために、営業マンさんの提案力が必要です。