普通の会社だと、継続素晴らしい!なのですが、社会課題解決の会社なので、続いているということは課題が存在しているということ。
嬉しいような、悔しいような、不思議な気持ちです。
ピアは当面の間、同じ形で、さらなるイノベーションを求めます。
課題が解決したら、ネクストピア的な、何か次のフェーズに行きます。
今の所、10年で現場で向き合ってきた課題について、まだまだやることがあります。
創業からを振り返ってみると、ピアは16年前に個人事業主としてスタートしました。
自分の勉強机で、まだブラウン管のモニターのついたデスクトップPCと、ロール紙タイプのFAXと、通帳の中に5万円を入れて、年会費無料のクレジットカードを作って、ネット販売からスタートしました。
当時、26歳の看護学生で、学校とバイトと起業をして、ひっちゃかめっちゃかでした。
起業といっても、今の皆さんのように考えたりスマートな感じじゃなくて
「とりあえず、かつら仕入れるか。って誰が売ってくれるんだろうか。」
というレベルの無計画スタートアップです。
毎日帰宅後に 、夜な夜なブラウン管モニターで、グーグル検索をしまくるのです。
めっちゃくちゃ暗いスタートアップです。
検索しては、ノートにまとめ、excelにキーワードをまとめ、保存する、という暗い暗い毎日です。はっきり言って、今の私に相談したら、精神的に追い込まれる前にやめたほうがいい、というアドバイスをしそうな暗さです。
当時飼っていた犬がとなりに座って、眠さに耐えて、おすわりしながら居眠りしてガクッとなる、という衝撃のシーンを見たのもこの時期です。
ご主人さまに仕えようとするんだけど、犬すら飽きて眠くなるくらい、毎日とりつかれたようにPCに向かっていました。ちなみに、犬はしばらくしたら、ご主人さまに仕えるよりも睡眠だよね、って気づいたようで、机の下でグーグー寝てました。
しばらくしてからですが、中国でかつらを作っているところにたどり着き、なんとなく話をすすめるのですが、全然話が通じなくて、なぜだろうと不思議に思っていました。
今思えば、この業界の常識からかけ離れているのに、当時は業界ルールもわからないし、そもそもかつらのこと知らないし、もう話が全然通じないのです。
今相談されたら、「ちょっと待て、落ち着け」というレベルの間違いです。
例えば、在庫を売ってとお願いしていました。
そもそも、工場には販売用の在庫は通常持っていません。
発注されたものを作って納品するのが工場。
そんな事も知らずにやり取りするから、全然通じない。
当時私に付き合ってくれた中国の皆さんに、菓子折りを持って謝りたいレベルです。
そんなこんなでスタートしましたが、なんとか無事に16年、事業をつづけてくることができました。(法人成りから10年)
正直言って、プロダクトそのものの生産や販売管理は、もっとスマートにできると思います。
でも、ピアにとっていちばん大事なことは、患者さんの困りごとを解決する場所として、患者さんの話を聞いて、一緒に考え、解決方法を提案し、実行する場所にしたい、という思いだと考えています。
髪の毛が抜けて、不自由だ。
めっちゃ凹みます。
周りに話すと励まされるし、説明するのも大変だけど、ちゃんと話したい。
人の心には、ロジックにならない気持ちが存在します。
それを受け止め、そうだよねと同じ視点で共感し、押し付けないで解決方法を考え、ともにある場所。
当たり前の場所だと思うのですが、なかなかなかった場所です。
患者さんは、結構孤独です。
孤独に悲劇に浸るのも、大事な時間です。
いろんな時間を経て、前に向いていくのです。
そのときに、それも当然ですよと共感しながら、そこに在ること。
ピアは、病院でも家でもない第三の場所、サードプレイスです。
法人成りして10年経ったら、面白いチームができました。
店長の柴田を筆頭に、個性的な「とりあえず、やってみましょう」のチームです。
10年で一番変わったことは、個人からチームになったことです。
「がん患者さんの日常生活を豊かに」というパーパスのもと、現場を豊かにするために、個々自由な取り組みをする人たちです。
PEER社内、やっぱり自由。
PEERについては、そもそも、明確な先行事例もありません。
失敗も成功も、ないのです。
まだ、患者さんの日常生活を豊かにする事業は、たくさん作れます。
私がスタートした16年前と確実に違うことは、社会の追い風です。
創業や、多様な生き方・多様な働き方が、社会の中で認められるようになりました。
初期の頃、私のはじめたことを「そんなこと、できるはずがない」「必要なことなら税金でやるはずだから、そんなニーズない」と言われました。
きっと、皆さん、私の失敗を心配してくれたのでしょう。
でも、応援してほしかったなと思います。
未来なんて、よくわからないのです。
やってみなくちゃわからないし、やってみたら、その中で改善を繰り返しながら、新しい見立てと市場が生まれることもあるのです。
これからも、患者さんの日常生活を豊かに、というパーパスに向かって、常識にとらわれず、自由に事業を創造していきたいと考えています。
真面目な現場とを作りながら、その事業体は面白いなって思っていただけるように、引き続き努力してまいります。
引き続き皆さまのご理解と、変わらぬ温かいご指導を賜りますように、よろしくおねがいします。